仙台市内の書店で4月24日、DVD付き写真集「クラシカル センダイ～アマチュアカメラマンが映した懐かしい昭和時代の仙台」が発売された。

　制作・発行を手掛けたのは、仙台の映像会社と出版社、CMサウンド制作会社から成るNPO法人20世紀アーカイブ仙台。同団体は、過去の仙台の映像・写真・音楽などをアーカイブ化して後世に残すことを目的に活動。副理事の佐藤正実さんは「家庭や地域の日常的な記録は貴重な資料だが、フィルム劣化で再現不能になったり廃棄されたりしている現状を知り、早急に収集しなければならないと考えた」と話す。

　ところが収集活動を進める中で「うちのは家族が写っているものばかりなので資料性はない」という反応が多かったため、「こんなに価値があるものだと気付いていただきたい」と商品を企画。市民から寄贈・提供された写真約4,000枚と約120本の8ミリフィルムの中からセレクトし、写真集とDVDにまとめた。

　写真集には昭和20年代後半～昭和51年の写真200点を掲載。DVDには昭和30年代初め～昭和51年までの映像を収録。そのすべてが市民の手による記録で、「全国に誇れる『市民が撮った市民のための映像ライブラリー』になった。今後、資料収集や保存活動が活発に行われるきっかけにもなれば」と佐藤さん。

　「ニュース映像のような事件性やプロのカメラマンのようなクオリティーはないが、撮影者にとって非常に身近な様子を映し撮った映像から昭和の風俗を感じ取っていただきたい。懐かしんでもらうだけでなく、当時の仙台の様子や生活風景を見ながら、子ども世代・孫世代に幼少時代や学生時代などの思い出をたっぷりと語っていただければ」とも。

　販売価格は3,780円。初版部数は2,000部。写真集の仕様はA4ワイド判140ページ。仙台市内の金港堂、丸善、ジュンク堂、紀伊國屋書店などで販売する。