せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町)スタジオシアターで11月13日、「第31回 ぴあフィルムフェスティバル in 仙台」が開幕する。
同フェスは「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに毎年開催される恒例イベント。メーンプログラムは、自主製作映画のコンペティション「PFFアワード」。今年は全国から集まった569本の応募作の中から、グランプリに輝いた井上真行監督の「一秒の温度」をはじめ、16本の入選作品を上映する。
応募作品全体の傾向について、同フェスディレクターの荒木啓子さんは「類型化した作品が増えつつあると言えるかもしれない一方、彼らの日々の生活の情報の少なさ、そしてその狭さに、社会構造への危機感を覚えてもいる」と話す。そうしたなか、入選を果たした作品については、「『世の中、変えられる』『自分たちは何かできる』という思いを静かに抱いている人たちを勇気づけることのできる映画ばかり」と評価する。
今年の入選監督の平均年齢は25歳と、近年に比べて若返る結果となった。「宮城県の自主映画製作者の増加」と「宮城県出身の入選監督の輩出」を目標に始まった仙台開催が9回目を迎えた今年、初めて宮城県出身の佐々木靖之監督が入選を果たした。荒木さんは「未来の巨匠たちの、劇場公開映画よりも面白い作品群を堪能できる映画祭なので、ぜひたくさんの方々にご来場いただき、素晴らしい出会いがあることを願っている」と話す。
そのほか、招待作品部門では「イーストウッド!」と題し、クリント・イーストウッド監督作品「許されざる者」「トゥルー・クライム」の2作品を上映。第19回PFFスカラシップ作品、石井裕也監督の「川の底からこんにちは」も上映する。
チケット料金は、前売り=1,000円(1回券)・2,400円(3回券)、当日=1,200円(1回券)・3,000円(3回券)。今月15日まで。