宮城県美術館で国際シンポジウム-「クリエーティブな街づくり」考える

宮城県美術館で行われた「仙台クリエイティブフォーラム2009」。会場には予定定員を超える250人が訪れた

宮城県美術館で行われた「仙台クリエイティブフォーラム2009」。会場には予定定員を超える250人が訪れた

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 宮城県美術館(仙台市青葉区川内元支倉、TEL 022-221-2111)講堂で3月22日、国際シンポジウム「仙台クリエイティブフォーラム2009」が開かれた。

パネラーの4人

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 同シンポジウムは、同館で開催中の特別企画展「occur2009『仙台発21世紀サウンド&デザイン』」に合わせて行われたもの。テーマは「交差するクリエイティブ・パワー『世界から地方へ、地方から世界へ』」。仙台市と隣接地域で近年行われているクリエーティブな活動を軸とした活性化の動きを発展させるため、域内外から関係者を招いて情報やノウハウを共有しながら「クリエーティブな街づくり」について考えるという内容。

 前半は、イギリス・マンチェスターで行われている都市型フェスティバル「フューチャーソニック」のディレクター兼CEOで、アーティストとしても活動するドリュー・ヘメントさんが、「フューチャーソニック」を例に「フェスのあり方」をプレゼンテーション。後半は、クリエーターとの対話プロジェクト「logue(ローグ)」メンバーの小川直人さん、NHK解説委員で「デジスタ」ナビゲーターの中谷日出さん、金沢21世紀美術館のキュレーター・鷲田めるろさんにドリューさんを加えた4人でパネルディスカッションを行った。

 議論の中心となったのは「地域性」。「『フューチャーソニック』では町とフェスティバルがお互いに影響し合って、お互いが変わってきた。そういう関係が非常に楽しいと感じる」(ドリューさん)、「金沢で強く感じたのは人と人とのつながりが濃いということ。そのことが建築と美術、美術と映像といったジャンルを超えたコラボレーションにも役立っていると思う」(鷲田さん)、「海外ではジャンルによっては東京よりも広島だったり、もしかしたら初台(という地名)のほうが有名だったりする。あとは、どう都市が発信していくかという問題だけ」(中谷さん)、「これまでずっと日本全体が、東京に一度情報や仕事やお金を預けてきたが、すでに地方の中にさまざまな活動があって人はいるので、地方だけで何かを作れる時期にきている」(小川さん)など、それぞれの意見が出された。

 ディスカッションの最後にドリューさんは、「何かを始めるときはものすごいエネルギーやパワー、忍耐、努力が必要だが、情熱を持ち続けて常に新しいことにチャレンジし、イベントを途中で終わらせることなく続けていくことが大事」と話し、「いろんな人たちと出会って、仙台には才能にあふれた若い人がたくさんいると感じた。そういう人たちを発掘して育成し、国際的に発信してほしい」とエールを送った。

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