仙台市は2月12日、応急手当てについて学べるスマートフォン用アプリ「救命ナビ」を公開した。企画・制作は仙台市消防局。
救命講習会の開催などを通じ、応急手当て普及に取り組む同市。高齢化などの影響で年々救急車の出場件数が増加していることから、「心肺停止といった重篤な傷病者が発生した場合には、現場に居合わせた方の応急手当てが重要になる」と判断。「より多くの市民の皆さまに応急手当ての知識を身につけてもらいたい」と、アプリ制作に踏み切った。消防庁「応急手当短時間講習普及促進研究事業」を活用し、開発費用は700万円。
音声や動画を使い、緊急時に119番通報と心肺蘇生法を的確にナビゲートする「救命ナビ」と、心肺蘇生法やAEDの取り扱い方法、止血法や熱中症の対処法などを分かりやすく解説する「応急手当を学ぶ」のメニューを用意。仙台市内と全国のAED設置場所を確認できる地図機能も。
子どものプールの監視員当番で救命救急講習を受けたことがあるという奥山恵美子仙台市長も同アプリを体験。「いざ何かが起こった時に、講習を受けていたとしても慌てて分からなくなることが相当あると思う。アプリのようにガイダンスがあると、だいぶ助けになるのでは」と話す。
アプリ公開に合わせ、パソコンやタブレット端末で救命講習の事前学習ができるサイト「応急手当WEB講習」も開設。動画を視聴しながら応急手当ての基本を身につけられるもので、利用することで市内の各消防署や救急サポートセンター(仙台市防災安全協会)が実施する「普通救命講習」の受講時間が短縮される。
奥山市長は「救える命をしっかり助けるためには、初期の応急手当が極めて重要。ご家族はじめ大切な方のいざという場合に備え、より多くの市民の皆さまに積極的に活用いただき、応急手当てを身につけていただければ」と呼び掛ける。
利用無料。iOSとAndroidに対応する。