オンワード樫山仙台支店(仙台市青葉区二日町)内のオンワードスクエアギャラリーで2月10日~13日、模擬アパレル企業「mishima&Co.」による展示会が開催された。
「mishima&Co.」は、東北生活文化大学(泉区虹の丘)家政学科服飾文化専攻の特別講義「ブランドマネジメント演習」の一環として昨年発足。商品の企画・設計・製作・展示会に至る一連の流れを、学生たちが1年間体験しながら学習する。
初年度の取り組みとして、同専攻の3年生7人がウエディングドレス・フォーマルウエアブランド「@m(アットエム)」を立ち上げた。製作には、山形で生糸や絹織物製造を行う松岡(山形県酒田市)が協力。交渉から生地の折り方や色合いの発注まで、すべて学生が行った。代表の栗田千紘さんは「東北地方の服飾産業の活性化のため、服飾分野の地産地消が図れるような商品の企画・開発を試みた」と話す。
今回展示した「@m」の商品は、純白のウエディングドレス、婦人用フォーマルウエア2種類、若者用フォーマルウエア、キッズ用フォーマルウエアの計5点。生地には、従来のシルクに比べて収縮性があり、洗濯も可能な同社開発の新素材「シルクII」を使用した。「温かみのある優しい色合いで、生地の印象を活かしたデザインの商品になった」とメンバーの八巻永さん。「伝線しやすいので取り扱いが難しく、押さえ金や針を変えたり手にハンドクリームを塗ったりと、自分たちなりに工夫した」とも。
展示会にはファッション関係者や同大学の在校生・卒業生や一般市民が来場し、学生が一人ひとりに素材や商品の説明を行った。「会場はガラス張りだったので、通りを行く方にも眺めていただけたよう。小さなお子さんが足を止めて笑顔で見てくれたのが印象的でうれしかった」(八巻さん)。
将来はファッションやアパレル、教育関係への進路を希望する栗田さんら。メンバーの大松澤まどかさんは「模擬とはいえブランドを一から作り上げるという作業を経験でき、もの作りが進んでいく過程を学べて良かった。今後の服作りへの自信にもつながった」と笑顔を見せる。