東北大学百周年記念会館・川内萩ホール(仙台市青葉区川内)で3月8日、「せんだいデザインリーグ2009 卒業設計日本一決定戦」の公開審査が行われた。
全国の卒業設計を一堂に集め、公開審査で日本一を決める同大会は今年で7回目の開催。過去の出展者数は2,000組を超え、都市・建築デザインのプロを目指す学生の間では「卒業設計の甲子園」として知られる。
今年の応募総数は929通で、うち526作品が出展。予選とセミファイナルを勝ち抜いた10作品が同ホールで行われたファイナルに進出。会場は全国から集まった学生ら約1,200人で満員となり、審査の模様はせんだいメディアテーク(春日町)でも中継した。
今年、「卒業設計日本一」に輝いたのは北海道大学の石黒卓さん。作品では、10メートル四方のピースを切り取り、集めることで住宅地が再構成できるという集合住宅を提案。石黒さんは「半年以上卒業設計にかかわってきた中で、大会がモチベーションを保つ大きな役割を果たした」とコメント。審査員長を務めた難波和彦さんは「日本一、日本二、日本三とバランスの良い決まり方だった。視点を変えると簡単にひっくり返るということも実感した」と話した。
特別企画として「梱包(こんぽう)日本一決定戦」も開催。「梱包を制する者は卒計を制する!」をコンセプトに、卒業設計の作品に用いられた梱包の「強度・運びやすさ・取り出しやすさ・機能美」が優れたものを表彰した。今年の「梱包日本一」は、「経済性・機能性がよく、普通だけどちょっと素敵」(審査員)と評価された日本大学・理工学部建築学科の太田佳織さん。「なぜ選ばれてしまったのかわからないが、手伝ってくれた友だちみんなに感謝したい」とコメントした太田さんには、表彰状のほか、「世界一の梱包王になってください」(同)と「梱包セット」が贈られた。
作品は今月15日まで、せんだいメディアテーク5階ギャラリー3300と6階4200で展示する。時間は10時~19時(15日は15時まで)。