節分にちなんだ「アナゴの恵方巻き水槽」の展示が1月9日、仙台うみの杜(もり)水族館(仙台市宮城野区中野4、TEL 022-355-2222)で始まった。
節分にその年の恵方を向いて太巻きを無言で丸かじりすると縁起が良いとされる関西発祥の風習「恵方巻き」。「福を巻き込む」という意味を込めて七福神にあやかり7種類の具材が入ったものが望ましいとされ、アナゴは代表的な具材の一つとなっている。同館では2020年から、節分の時季に合わせ「アナゴの恵方巻き水槽」展示を行っている。
同館広報担当者の板橋瑠花さんは「普段は地味な展示でなかなか注目してもらえないマアナゴだが、アナゴの恵方巻き水槽展示を行うことで多くの方に注目してもらえるのでうれしい。展示を通じて、アナゴが狭い所を好む習性や食文化とのつながりについて知ってもらえれば」と期待を寄せる。
狭い場所を好み穴などに潜り込むアナゴの習性を生かした「アナゴの恵方巻き水槽」。1階・日本のうみの「内湾 恵みのうみ」エリアにあるマアナゴ展示水槽内の中央に、穴の開いた恵方巻きのオブジェをつるし、アナゴが恵方巻きの具のように顔や尾びれをのぞかせる。オブジェの大きさは、直径14センチ、長さ55センチ。塩化ビニール管にのりをイメージした黒のネットを巻き、片側に発泡スチロールで作ったご飯と具材を張り付けてある。全て生き物に影響のない素材を使う。
期間中の土曜・日曜は13時から、飼育スタッフ特製の恵方巻きをマアナゴにプレゼントするイベントを行う。今年は長崎県で節分に食べる風習があるカナガシラをすり身に加工し、巻きずし型のかまぼこにして、マアナゴに餌として与える。板橋さんは「カナガシラは宮城県では知名度が低く市場に出回らない低利用魚なので、マアナゴたちと一緒にカナガシラにも親しみを持ってもらえたら」と話す。
「大漁 宝のうみ」エリアでは「ダイナンアナゴの恵方巻き水槽」を展開。全長1.2メートルに達する大型アナゴの仲間ダイナンアナゴの水槽内に、今年の恵方「東北東」を向かせた直径20センチ、長さ67センチの恵方巻きを模したオブジェを設置する。
1階「umimori shop」では全長64センチの「アナゴの恵方巻きぬいぐるみ」(3,850円)を数量限定で販売。1階フードコートでは、「のり巻き鬼」をトッピングしたちらしずしに、豆まき気分を楽しめるように枝豆を別添えした「豆まきちらし寿司(ずし)」(800円、提供は1月29日~2月3日、各日数量限定)も提供する。
営業時間は10時~17時(最終入館は閉館30分前)。入館料は大人=2,400円ほか。2月4日まで。