宮城県内の展示施設を一堂に集めたイベント「ミュージアムユニバース」が現在、せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町、TEL 022-713-3171)1階オープンスクエアで開催されている。主催は「仙台・宮城ミュージアムアライアンス(以下SMMA)。
八木山動物公園フジサキの杜の「夏休み セミの抜け殻マップ調査員になろう!」
SMMAは、仙台・宮城地域のさまざまなミュージアムによる共同事業体。現在17施設が参加し、学芸員や専門職員が持つ知識やノウハウを集積し、分野を横断した連携イベント、学校教育への協力や地域で活躍する人材の育成支援、観光資源の開発など、単独では実現困難な新たな価値を創出し、地域のニーズや時代に合ったミュージアムになることを目指している。
同イベントは、「それぞれの活動を束ねて増強させること」「それぞれが持つ知的文化資源を総合的に把握できる場を作ること」を目的に、2012(平成24)年から開催。展示やワークショップなどの体験を通してミュージアムの魅力や楽しさを発信する。
2020年度は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため中止した。2年ぶりとなる今回は、仙台うみの杜(もり)水族館、せんだい3.11メモリアル交流館、地底の森ミュージアム(仙台市富沢遺跡保存館)、仙台市縄文の森広場、仙台市博物館、八木山動物公園フジサキの杜(仙台市八木山動物公園)、仙台市歴史民俗資料館、仙台文学館、東北学院大学博物館、東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館、東北福祉大学・鉄道交流ステーションの11施設が参加する。
「展示の広場」では、参加ミュージアムの資料や所蔵品、取り組みをパネルや映像などで紹介。八木山動物公園フジサキの杜は「夏休み セミの抜け殻マップ調査員になろう!」と題し、今年の夏に来園者と飼育員が園内で集めたセミの抜け殻の調査結果を展示する。東北学院大学博物館は「蔵品、御開帳。-私の『推し』ヲ紹介シマス。-」と題し、2020年末に刊行した収蔵資料図鑑「KOREMITE」第6巻に掲載されている資料を公開。東北福祉大学・鉄道交流ステーションは「大回りで行くやさしい鉄道探検隊」と題し、鉄道の運賃計算の特例を利用した「大回りの鉄道旅行」を紹介する。
土曜・日曜には、少人数・入れ替え制のワークショップ「体験の広場」を行う。25日(10時30分~12時、13時~16時)は東北学院大学博物館による「小さな板碑(いたび)の拓本づくり」、26日(10時30分~12時、13時~14時30分)は仙台市縄文の森広場による「消しゴム石器づくり」。所要時間や定員はそれぞれ異なる。
SMMA事務局担当者は「身近にある面白いもの・こと、宝物を紹介している。遊びを通して学ぶこと、好奇心や楽しみを掘り下げて学びにつなげるヒントを、このイベントから吸収してもらえたら。地域の博物館がその案内役になることを知ってほしい。まだ訪れたことのない近くにあるミュージアムに足を運ぶきっかけになれば」と期待を寄せる。
開催時間は10時~18時(最終日は15時まで)。入場無料。12月26日まで。