「新東北みやげコンテスト」表彰式が11月26日、仙台市産業振興事業団(仙台市青葉区中央1)会議室で行われた。「武田の笹(ささ)かまぼこ」(塩釜市)の「canささ 笹かまアヒージョ」が最優秀賞に選ばれた。
東北の企業が開発した新しい土産物を発掘・表彰し、バイヤーや消費者に向けた商品PRを行うとともに販路開拓を支援する目的で、仙台市産業振興事業団が2014(平成26)年から行っている新東北みやげコンテスト。発売からおおむね2年以内の商品が対象で、7回目となる今回は東北6県から食品や飲料、雑貨や工芸品など273商品の応募が寄せられた。
今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、オンラインによる審査を採用。出展料の無料化、巣ごもり需要に着目した「お取り寄せ特別賞」などの新たな試みも取り入れた。
書面による1次審査を通過した54商品を対象に、現役バイヤー14人によるオンライン2次審査を実施。商品品質や地域性、デザイン性などの観点から、最優秀賞1商品、優秀賞3商品、特別賞6商品を選んだ。
審査員を務めた東急ハンズ仙台店の山本優子店長は「オンライン開催は初めてのことだったので、エントリーされた方々は戸惑いやご苦労が多かったと思う。審査委員としても通常は商品の重みや素材感、匂い、味など、感覚に左右されることが多かった。今回はそういったものがなかった分、皆さまの限られた文字の中での熱い思いや作られた背景などがずっしりと伝わってきた」と振り返る。
最優秀賞に選ばれた「canささ 笹かまアヒージョ」は、小ぶりな笹かまぼことオリーブオイルとタカノツメ、ニンニク、マッシュルームを使ってアヒージョに仕上げた缶詰。980円という高価格帯ながら、9月の販売開始から売り上げ計画の10倍ほどの売れ行きを見せている。
武田武士社長は「製造にご協力いただいた木の屋石巻水産さま、笹かまやアヒージョについてアドバイスを頂いた秋保ワイナリーの皆さま、そして私のやりたいという思いに賛同してくれた社員のみんな、全ての方々に感謝したい」と話す。「これだけ素晴らしい商品がある中で一番いい賞をもらえるとは正直思っていなかった。今までの固定概念を払って、自分だけのリソースではできないものを皆さんと一緒に作り上げたところを評価いただけたことがうれしい」と笑顔を見せる。
そのほかの受賞商品は次の通り。優秀賞=ケサノフウケイ(青森県黒石市)の「きみだけあいす」、GRA(山元町)の「ミガキイチゴバター」、八戸酒造(青森県八戸市)の「酒粕バスボム 八仙美人の湯」、お取り寄せ特別賞=世嬉の一酒造(岩手県一関市)「クラフトコーラ こはるこーら」、三陸ブルーイング・カンパニー(岩手県大船渡町)「三陸ビール」、石巻グリーフ サポート(石巻市)の「森のキャビア」、デザイン特別賞=大野農園(福島県石川町)「PEACH MONAKA」、地域性特別賞=秋田県醗酵(はっこう)工業(秋田県湯沢市)の「秋田杉GIN」、アイデア特別賞=オイル漬け専門店Norte Carta(秋田県八峰町)の「秋田しょっつる仕立て しいたけタプナード」。