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東北歴史博物館で日本の建築史たどる展示 伝える「かたち」と「わざ」焦点に

昭和の大修理で腕を振るった宮大工・西岡常一らが手掛けた高さ3メートルを超える「法隆寺五重塔模型」。部材一つ一つまで精巧に作られている

昭和の大修理で腕を振るった宮大工・西岡常一らが手掛けた高さ3メートルを超える「法隆寺五重塔模型」。部材一つ一つまで精巧に作られている

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 日本の建築史をたどる特別展「伝わるかたち/伝えるわざ-伝達と変容の日本建築」が現在、東北歴史博物館(多賀城市、TEL 022-368-0106)で開かれている。

仙台城や瑞巌寺、大崎八幡宮など県内の建造物に関する資料も

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 開館以来初めてとなる日本建築史をテーマとした展覧会。建築を構成する組物・障壁画・座敷飾りや、建築を表した図面・絵画・模型などを紹介しながら、建築のさまざまな情報がどのように伝達し変容したのか、その技法や知恵、意味や背景に迫る。建築模型や図面など、前期(10月25日まで)・後期(10月27日~11月23日)で計123件146点を展示する。

 会場内は大きく2つに分け、精巧な建築模型を展示する。第1章「伝わるかたち」では、建築を構成する部材・空間・外観・配置がどのように伝わったのかを紹介。第2章「伝えるわざ」では、それを伝えるために工夫されてきた大工道具・ミニチュア・図面・文書を紹介する。1900(明治33)年ごろに製作された「薬師寺三層裳階(もこし)付大塔雛形(ひながた)」(東京芸術大学蔵)、1932(昭和7)年に完成した、実物の10分の1スケールの「法隆寺五重塔模型」(東京国立博物館蔵)など大小合わせて20点以上を展示する。仙台城や瑞巌寺、大崎八幡宮など県内の建造物に関する資料も紹介する。

 「古建築に興味がある方はもちろん、建築を学んでいる学生の方にもご覧いただきたい。教科書に出てくるような著名な建造物も多数取り上げているので、さまざまな方に楽しんでいただけると思う」と担当者。「建築は用語が難しいというイメージがあるかもしれないが、展示を通して建築のかたちが伝わっていく様子をご覧いただき、その背景にある人々の思いや工夫を感じてほしい。建築模型や障壁画などスケールの大きな資料が並び、いつもとは違った展示空間になっているので、来館いただければ」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(11月23日は開館)。観覧料は、一般=1,200円、65歳以上=1,100円、小・中・高校生=400円。11月23日まで。新型コロナウイルス感染予防対策として、展示室内の入場制限(200人)を設け、来場者にはマスク着用や手指消毒を求める。

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