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東北歴史博物館で「よみがえるシルクロード」展 最先端技術で失われた文化財再現

焼損(劣化)した金堂壁画十二面を同素材で焼損前の状態まで復元し、間近で見ることができない釈迦三尊像を金銅仏で再現。音と香りも交え空間を一体として再現している

焼損(劣化)した金堂壁画十二面を同素材で焼損前の状態まで復元し、間近で見ることができない釈迦三尊像を金銅仏で再現。音と香りも交え空間を一体として再現している

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 「東京藝(げい)術大学スーパークローン文化財展『最先端でよみがえるシルクロード』-法隆寺・敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)・バーミヤン-」が4月19日、東北歴史博物館(多賀城市、TEL 022-368-0106)で始まる。

保存のため一般公開が困難な敦煌莫高窟第57窟の復元

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 「スーパークローン文化財」は、芸術の「保存と公開」の相克の克服を目的に東京芸術大(東京都台東区)が開発した、芸術と科学の融合による高精細度な文化財の「再現(複製)」。伝統的な模写の技術と現代のデジタル撮影技術や2D・3Dの印刷技術を融合させ、技術、素材、文化的背景など「芸術のDNAに至るまで」の再現を目指す。同展は2017年に東京、2018年に島根で開かれ、宮城が3会場目。

 会場内は、「日本・法隆寺金堂」「北朝鮮・高句麗(こうくり)古墳群江西大墓」「タジキスタン・ペンジケント遺跡」「中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区・キジル石窟」「中国甘粛省・敦煌莫高窟」「アフガニスタン・バーミヤン東大仏天井壁画」「並河萬里写真」「油彩画」「浮世絵」の9エリアで構成する。

 2001年に破壊されたアフガニスタン・バーミヤン東大仏天井壁画、流出後に第2次世界大戦の戦火で失われたキジル石窟航海者窟壁画、保存のため一般公開が困難な敦煌莫高窟第57窟、火災により焼損した法隆寺金堂壁画など、歴史的・芸術的価値が認められながらも現在では目にすることができない作品約70点を展示する。

 担当者は「現在私たちが実際に目にすることが難しい、もしくはすでに失われてしまった文化財が、スーパークローン文化財として展示室で間近で見ることができる。空間としてそれらの文化財が再現されており、音や香り、映像と交えて文化財の雰囲気を体感することができる」と話す。「よみがえったシルクロードの世界を体感していただきたい。(一部を除き)写真撮影可なので、シルクロードを旅する気分を味わってもらえれば」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(4月29日・5月6日は開館、7日は閉館)。観覧料は、一般=1,200円(前売り1,000円)、シルバー=1,100円、小・中・高校生=600円。小学生未満は無料。6月23日まで。

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