NHK仙台放送局(仙台市青葉区錦町1、TEL 022-211-1001)の開局80周年記念ドラマ「お米のなみだ」が9月19日、放映される。
同作は、宮城・鳴子で2006年から行われている「鳴子の米プロジェクト」を元にした内容。同プロジェクトは、地域の「食べ手」が地元の「作り手」をサポートするため、市価よりわずかに高い値段でコメを買い取るもので、「厳しい環境に置かれた中山間地のコメ作りを地域の力で支えることで、観光地・鳴子の美しい田園風景を耕作放棄地の増加による荒廃から守りたい」という地域住民の願いが込められている。
ストーリーは、東アジアの記録的猛暑による大凶作に備えて東北・中山間地の青田買いを命じられた東京の商社員・月村みのりが、農政から見放されつつあるコメ作りの現実を突き付けられながらも、地元農家との関係を築いていくという内容。同局では「スリリングなドラマの中に、東北と日本のコメ作りを応援する思いをいっぱい詰め込んだドラマを目指した」という。
脚本は、NHKドラマ「かあちゃんが来た」(2006年)を手がけた山形県出身の阿部美佳さん。実家が専業農家を営む阿部さんは今回の脚本について、「農家の娘だからこそ、『農家を美化しない』という決め事を作って臨んだ。誰が正しいかを決めるドラマでは決してない。いつもの食卓のいつものご飯で、ちょっとだけはしを止め、考えていただけるようなドラマになれば」とコメントを寄せる。
出演は、奥田恵梨華さん、黒部進さん、内野謙太さん、阿藤快さんほか。主題歌には在仙アーティスト・カラーボトルの「虹」を起用し、劇中にも宮城・東北にゆかりのあるタレントが登場する。
放送時間は、19時30分~20時43分(NHK総合、東北ブロック)。年内には全国放送も予定。