南九州で7月~8月に行われた全国高校総合体育大会(インターハイ)で優勝した選手たちが9月12日、宮城県庁を表敬訪問した。
訪問したのは、陸上競技100メートル、200メートルで2冠を達成した築館高2年の鵜澤飛羽(とわ)選手、バドミントン男子学校対抗(団体)で優勝した聖ウルスラ学院英智高3年の選手8人と、それぞれの校長、部活動顧問。県勢による陸上競技短距離の金メダルは初、バドミントン男子団体の優勝は53年ぶりという快挙だった。
築館高の三浦孝洋校長は「東北大会に優勝した頃から上位入賞もあるとは思っていたが、100メートルと200メートルの両方で優勝するということは予想できなかった。しかし本人は壮行会で『日本一速い男になって帰ってくる』と宣言して出発していったので、自信があったのだろうと思う」とエピソードを披露。
鵜澤選手は「優勝した実感がなく、なぜここにいるのだろうかと不思議な感じ。ここまで来られたのは家族や先生や友達、たくさんの人に支援してもらったおかげ。その感謝も忘れず来年も優勝して2連覇したい」と話した。200メートル決勝で記録したタイムは追い風参考ながらサニブラウン・ハキーム選手(米フロリダ大)の高校記録と0秒02差の20秒36。「五輪で200メートルに出場できれば」と意欲ものぞかせた。
聖ウルスラ学院英智高の伊藤宣子校長は「女子校から共学校へ変わり、バドミントン部に男子も入ってくれるだろうかという期待と不安の中で招き入れ、創部12年目にして優勝を収めることができた。この大きな喜びを勝ち取るために畑山(辰徳)監督が寝食を共にして選手たちを育て上げてきた」と振り返り、「選手たちは3月には卒業するが、いままでの歴史と思いは後輩たちに受け継がれていくことだろう」と期待を込めた。
藤沢佳史主将は「日々支えてくださった皆さまのご協力があってこそ、このような結果が出せた。これからも宮城を代表するチームとして、さらなる活躍を目指していきたい」と話した。
県教育委員会の松本文弘教育次長は「県勢にとっては遠くに出向いていった戦いで、コンディション調整などでも大変な苦労があった中、日頃から鍛えた集中力、技術、根性、団結力があって優勝が勝ち取れたと思う」とねぎらい、聖ウルスラ学院英智高出身でリオ五輪バドミントン女子金メダリストの高橋礼華選手、松友美佐紀選手の例も挙げ、「日本一の高校生から日本一の大人へと、県民、国民に夢を与える活躍を期待している」とエールを送った。
この日表敬訪問に参加した選手たちは、9月28日から茨城県で行われる国民体育大会に出場する。