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宮城に県産イチゴ新品種「にこにこベリー」 クリスマスを前に試食会

鮮やかな赤い果実が特徴の県産イチゴ新品種「にこにこベリー」

鮮やかな赤い果実が特徴の県産イチゴ新品種「にこにこベリー」

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 宮城県農業・園芸総合研究所(名取市)が開発した県産イチゴの新品種「にこにこベリー」の試食会が12月4日、「グリルみのる」エスパル仙台店(仙台市青葉区中央1)で行われた。

試食会で提供された「にこにこベリー」のショートケーキ

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 にこにこベリーは、同研究所で育成した宮城県オリジナル品種の「もういっこ」と栃木県で育成された「とちおとめ」を掛け合わせた新品種。2005年に交配して得られた実生苗から選抜を繰り返し、2016年に宮城の気象条件と栽培環境に適した1系統を選び、2017年3月に品種登録出願した。

 鮮やかな赤い果実は円すい形で果皮に光沢があり、カットしても美しい赤い果肉と、甘味と酸味のバランスのよい食味が特徴。とちおとめ同様に年内早出し栽培に適し、全体の収量も多い品種で、日持ちがよく輸送性にも優れるという。

 にこにこベリーという名前は、「震災を乗り越え、作る人、売る人、そして食べた人、全てがそのおいしさににこにこ笑顔になれる、みんなに笑顔を届けたい」いう思いから、育成者で同研究所園芸栽培部研究員の高山詩織さんが付けた。

 クリスマスに向けて行った試食会には、県内のケーキ店やホテルのパティシエなど約30人が参加。にこにこベリーや同イチゴを使ったショートケーキを試食。イチゴの色や硬さ、甘さや酸味などを目と舌で確かめた。

 今シーズンは試験栽培として県内16人の農家が1ヘクタールで生産。2019年度は6ヘクタール、2020年度は13ヘクタール、将来的には50ヘクタールでの生産を目指す。

 「宮城県はイチゴの産地として全国10番目。北限の地といわれ、イチゴ作りが大変難しい。皆さまに一緒に育てていただきながら、にこにこベリーを日本一の品種にしていきたい」と全国農業協同組合連合会宮城県本部長の大友良彦さん。「さまざまな角度から意見を頂きながら、生産振興に努めていきたい」と意気込む。

 現在、市内の青果物専門店「いたがき」本店・エスパル店で取り扱っている。

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