「津波防災の日」の11月5日、仙台市で津波避難訓練が行われる。
津波対策についての理解と関心を深めることを目的に、東日本大震災が発生した2011年に制定された「津波防災の日」。1854年の旧暦11月5日に起きた安政南海地震の際、今の和歌山県広川町の実業家だった浜口梧陵(ごりょう)が稲わらに火を付け、村人を高台に導いて大津波から命を救ったという逸話「稲むらの火」に由来する。2015年12月の国連総会では「世界津波の日」にも制定された。
津波から命を守ることを最優先とした避難行動の定着を図るため、津波防災の日に合わせて津波避難訓練を行う。11月5日8時45分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0、最大震度6強の地震が発生。8時48分、宮城県に大津波警報発表。9時30分、仙台港へ7メートルの津波が到達するという想定で行う。
8時48分から、各機関のヘリコプター、消防車両・区広報車、市東部79カ所に設置されている津波情報伝達システム(市沿岸部に設置している大音量スピーカー)による津波避難広報訓練を展開。津波避難エリアの居住者や勤務者など対象エリアの参加者は、広報訓練で発信する情報を入手後、津波避難施設などの安全な場所まで避難する。
津波避難施設はアクセル、仙台うみの杜水族館、キリンビール、南蒲生津波避難タワー、岡田津波避難ビル、三本塚長屋敷津波避難タワーなど18カ所。津波避難場所は仙台東部道路津波避難階段5カ所、避難の丘3カ所、冒険広場1カ所。津波避難エリア内と周辺の指定避難所は小中学校20校と高砂市民センター。
8時48分ごろには、災害情報・避難情報などを迅速確実に周知する目的から、仙台市全域の携帯電話などへ「緊急速報メール」を配信する。
危機管理室減災推進課の担当者は「仙台市東部地域の津波避難エリアに居住する皆さん、お勤めの皆さんは、津波から命を守るため訓練に参加願いたい」と呼び掛ける。