仙台市中心部で4月22日、仙台出身のフィギュアスケーター・羽生結弦選手の祝賀パレード「羽生結弦選手『2連覇おめでとう』パレード」が開催された。
平昌オリンピックのフィギュアスケート男子シングルで金メダルを獲得し、オリンピック2連覇を達成した羽生選手の偉業をたたえ、祝福しようと企画された同パレード。仙台市・宮城県・宮城県スケート連盟・仙台市スポーツ振興事業団で構成される実行委員会が主催した。
パレードに先立ち、東二番丁小学校前で出発式を開催。県から「県民栄誉賞」、市から「賛辞の楯(たて)」などが贈呈され、羽生選手からは県と市に500万円ずつ寄付金が贈られた。
羽生選手はあいさつで、「このたびは『ありがとう』という言葉を言える機会をつくっていただき感謝している。2連覇して金メダルを持って、この仙台に『ただいま』と言えるような状況になり、本当にうれしく思う。いま自分の胸の前にある金メダルは、皆さんの多大な応援や支援があったからこそ。この喜びやいま見える風景、そして皆さんがこうやって応援してくださる気持ちや声を、ずっと胸に刻んで、これからも生きていきたい」と感謝の思いを述べた。
パレードは、東二番丁通(南町通り交差点~仙台市役所前)の約1100メートルを、装飾された大型トラックのパレードカーで約40分かけて実施。沿道は、羽生選手の姿を一目見ようと県内外や海外から駆け付けた約10万8000人で埋め尽くされた。沿道の声援に応えて手を振り、笑顔で「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えた羽生選手。「遠くで見ている方にも届けばいいなという気持ちで」オリンピックのフリープログラム「SEIMEI」のポーズも披露した。
パレード終了後の記者会見で、「たくさんの方々がパレードに来て一目見たいと言ってくださっていたので、わくわくしながらこの数日を過ごしていた。無事に終えることができ、仙台に帰ってきたなという気持ちもあり、あらためて今回の金メダルの重みを感じた」と羽生選手。「温かい目や『おめでとう』という声が、自分の心に、脳裏に焼き付いた。地元だからこその光景、自分にしか味わえない光景だったと思う」と振り返る。
「まだまだ復興の課題がある中で大規模なパレードを開いてくださったのは重く受け止めている。県内・市内のみならず、世界中の方々に復興の手助けとなるような、きっかけとなるような行動をしていけるように心掛けなくてはいけないと思った」と決意を新たにした。