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仙台のコワーキングスペース「ノラヤ」3周年 サイエンスバーも10回超え

コワーキングスペース「ノラヤ」管理人の宗形晶子さん

コワーキングスペース「ノラヤ」管理人の宗形晶子さん

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 仙台・北四番丁駅近くのコワーキングスペース「ノラヤ」(仙台市青葉区木町通2、TEL 050-5889-1398)が10月10日、オープンから3周年を迎える。

9月に行われたサイエンスバーの様子

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 県内の企業や大学勤務を経て、現在は個人事業でシステム開発などを手掛ける宗形晶子さんが同スペースを開いたきっかけは2011年の東日本大震災。当時は無線LANや電源が整備された仕事のできるスペースが市内には少なく、全国から支援に訪れる人などが困っている様子を目にしていた。

 「図書館の自習室のような感じで、気軽にふらっと来て静かに仕事ができるような場所があれば」と考えている中、東京を中心にコワーキングスペースができていることを知り、運営者向けの勉強会に参加。仙台で数度の体験会を重ねて2013年、アパートの1室を借りて開設にこぎ着けた。室内面積は20平方メートル、席数は13席。

 同スペースの特色は、不定期で行われている「サイエンスバー」。大学勤務時代、身近にいる研究者から雑談や飲み会などで聞く専門的な話が面白かった経験から、飲食しながらそうした話を気軽に聞いて学べるイベントを開こうと考えた。震災後にデマが流布したり研究者の発言が批判されたりしている状況を見て、一般の人と専門家の間にある隔たりに一因があるのではないかと感じ、その距離を縮めるきっかけにしたいという思いもあったという。

 2014年11月に「月」をテーマに初開催。「サイエンスをもっと身近に楽しんでほしい」という思いで共通する専門家の協力を得ながら、以降も生物、数学、宇宙、確率、ロボットなど多彩なテーマで回を重ね、今年8月には10回目を迎えた。

 同様のイベントは他にもあるが、こぢんまりとしたスペースならではの距離感が特徴。質疑応答の時間を設けるまでもなく常に参加者から講師への質問が飛び交う。「研究者の話は難解で分かりにくいというイメージを打破して、身近に感じてもらえる場」と宗形さん。今後も継続し、講師とのつながりを生かして「いずれは『科学部』のような部活動ができれば」と展望を話す。

 起業支援や異業種交流などに主眼を置くコワーキングスペースとは異なるアットホームな雰囲気も同スペースの特徴で、仙台市中心部から離れた場所にありながら、その居心地に引かれて利用する人も多い。宗形さんは「これからも地道に頑張る人のためのスペースでありたい」と、3周年を前に意気込みを新たにする。

 営業時間はウェブサイトで確認できる。水曜・土曜・日曜・祝日定休。料金はドロップイン=3時間以内500円、1日800円、月額会員=5,000円。ドロップイン回数券も用意し、貸し切りにも対応する。

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