東北学院大学泉キャンパス(仙台市泉区天神沢2)体育館で6月4日、「サントリー車いすバスケットボール体験教室」が開かれた。
2014年9月からチャレンジド・スポーツ(障がい者スポーツ)支援を行っているサントリーホールディングス(東京都港区)では、東日本大震災復興支援の一環として、チャレンジド・スポーツの振興や選手育成のために奨励金を支給し、被災地の学校や公共施設で車いすバスケットボールの体験教室を開いている。
今回、講師を務めたのは仙台を拠点とする車いすバスケットボールチーム「宮城MAX」の選手たち。同チームは2009年から今年にかけて日本選手権8連覇を達成している強豪で、地域の学校へ訪問活動を行うなど競技の普及と理解促進に努めている。
当日は県内から小中学生とその保護者ら186人が参加。選手たちの指導を受けながら車いすの操作を教わり、シュート練習を行った後、ミニゲームに挑戦した。多くの参加者が初めて経験する車いすの操作に悪戦苦闘しながらも、必死にボールを追い掛ける表情からは終始笑顔が絶えなかった。
体験会終了後は、宮城MAXの選手が2チームに分かれてエキシビションマッチを行った。コートを縦横無尽に駆け回る車いすの躍動感、車いす同士が激しくぶつかり合う迫力に、観戦していた参加者からは大きな歓声が上がり、シュートを決めるたびに拍手が響いた。
閉会式ではチームを代表して副主将の豊島英選手が「車いすバスケットボールは障がい者スポーツだが、皆さんがやっているようなスポーツとして日本一を目指しトレーニングを積んで試合に臨んでいる。皆さんに車いすバスケットボールというスポーツがあるということを今日、知っていただけてうれしい」と話し、「この経験を生かして、前に向かって挑戦しようという思いになってくれたら」と期待を寄せた。
閉会後、リオパラリンピック日本代表に内定している豊島選手、藤井新悟選手、藤本怜央選手が会見。4度目となる今大会を最後の挑戦と位置付ける藤井選手は「大会までの3カ月間、1日、1時間、1分という時間の貴重さを感じて、無駄にすることなくバスケットボール人生の全てを集約して臨みたい」と決意を話した。
日本代表で主将を務める藤本選手は「日本選手権まで本当に厳しい練習と試合を続けていたので、この場であらためてバスケットの楽しさを再確認できた」と振り返り、「エースとして大黒柱として、日本の一番太い柱としてしっかりと立ち続けたい」と意気込んだ。
前回のロンドン大会では予選敗退という悔しい結果に終わった日本チームは今年、予選突破と6位以上の結果を目標に掲げている。豊島選手は「応援してくださっている方々がたくさんいる。その思いに応えられるような結果を日本に持って帰ってきたい」と誓う。