宮城県白石市の名産品「白石温麺(うーめん)」と同市の伝統工芸品「弥治郎こけし」のコラボレーション商品「弥治郎こけし×白石温麺」が、こけし愛好家の間で話題を集めている。
白石温麺の製造・販売を手掛ける1897(明治30)年創業の「きちみ製麺」(白石市)が3月に発売した同商品。5人の弥治郎こけし工人が制作したこけしを基に、各工人のサインと合わせて白石温麺の巻紙にデザインしている。
企画した同社商品開発担当の木村敦さんは「弥治郎こけしの工人が親戚にいるので、こけしは昔から身近な存在だった」が、昨年5月に同市で開催された「全日本こけしコンクール」で新人の工人が手掛けた作品を購入したことをきっかけに、こけしの魅力を再発見したという。
白石温麺と弥治郎こけしのコラボ商品を作りたいと考えていたところ、印刷会社に勤務するこけし愛好家仲間から巻紙のデザインを提案されたことがきっかけで、弥治郎こけし工人の協力を得て実現にこぎ着けた。
販売開始から1カ月がたち、こけし愛好家や観光客を中心に好調な売れ行きを見せている。「地元のお土産として認識していただけており、かわいがっていただいている」と木村さん。同社では今後も「白石温麺の発展と宮城県の文化を日本全国に発信すること」を目的に、さまざまな伝統産業とのコラボレーションを企画していくという。今年秋には、別の弥治郎こけし工人による第2弾を発売する予定。
「白石温麺好きの方にはこけしの魅力を、こけしファンの方には白石温麺のおいしさを知ってもらい、双方のファンを増やしていきたい」と木村さん。「ゆくゆくは宮城のこけし5系統とコラボできれば」と夢を語る。
価格は1箱(100グラム×5束)972円。仙台市内=「さくらの百貨店 仙台店『みちのく味』」「清川屋仙台パルコ店」「愛子『森の駅』」、白石市内=「小十郎の郷」「弥治郎こけし村」「白石城ミュージアムショップ」などで販売するほか、東京・吉祥寺の「東北物産館」や全国での宮城県物産展、同社ネットショップでも取り扱う。