仙台駅前の商業施設「イービーンズ」(仙台市青葉区中央4、TEL 022-266-2222)1階・特設展示場で現在、「石井麻木写真展-3.11からの手紙」が開かれている。
CDジャケットや本の表紙、映画のスチール写真、ミュージシャンのライブ写真やアーティスト写真などを手掛ける写真家・石井麻木さん。2009年からはカンボジアの農民の自立支援を促す活動を行っている。
今年3月に大阪で開催された同展。大きな反響を得て今回、福島・仙台・東京の巡回が決定した。「大阪での開催時、ものすごく反響を頂いた。中でも東北の方から『こっちでやってください』という声が多く、特に宮城と福島の方からの声が一番多かった」(石井さん)ことから、東北での開催に踏み切った。
「東北でやらせていただくことが怖く感じた」と話す石井さん。「思い出したくない人もいるだろうし、もう見たくない人も忘れたい人もいると思う。それでも伝えたかったものがあった」と力を込める。
同展では、東日本大震災直後からの3年半の東北の様子を収めた写真と共に、同期間に「東北の地で鳴らされてきた音楽」の写真約300枚を展示。併せて、石井さんが撮影した「風とロック」の写真の中から3年分、約300枚の写真で構成された「風とロック特別版パネル『風とロックと石井麻木』」も展示する。
「音楽の写真を一緒に展示した理由は、これだけの人がこの地を思って動き続けていることを忘れないでほしいし、つらい中でもたくましく笑顔で一緒に生きている人たちのことも伝えたいと思った」と石井さん。
音楽ファンのほか子どもから高齢者まで幅広い層が訪れ、写真を一枚一枚じっくりと眺めては、添えられた石井さんの言葉を噛みしめるように読む人の姿も見られた。石井さんは「それぞれの感じ方で何かを感じ取って帰ってもらえたらうれしい。嫌だった、見たくなかったでも、見てよかったでも、どちらでもいいので生の声を聞きたい」と話す。
開催時間は10時~20時。入場無料。今月26日まで。