仙台市内で飲食店を手掛けるカピターノ(仙台市青葉区一番町3)が製造・販売しているアンチョビフィレ「国産。しかも石巻。」が県内外で人気を集めている。
「主に日本国内で消費されているアンチョビは、イタリアやスペインで生産された輸入品に頼っているが、アンチョビの原料となるカタクチイワシは日本全国でも水揚げされている」と同社担当者。産業の活性化と雇用創出、食糧自給率向上などのコンセプトを掲げ、宮城県石巻産のカタクチイワシを使った商品の開発を始めた。
アンチョビに適したカタクチイワシの確保・選別から、熟成期間や発酵の度合い、味わいなど試行錯誤を重ね3年ほど前に製品化。今年2月には、味わいやパッケージ、価格をリニューアルし、同社が運営するネットショップ「カタクチ商店」で本格販売を始めた。
原材料は、カタクチイワシ、ひまわり油、塩のみ。カタクチイワシが小さく塩漬けになっているため機械で処理できないことから、全て手作業での生産となる。「無添加で安心・安全、かつ保存料を使わず常温での長期保存が可能。あっさりとまろやかな味わいが特徴なので、バーニャカウダやパスタ・ピザなどの洋食だけでなく、冷ややっこ・茶漬けなど和食との相性も良い」
2月26日に行われた宮城県水産加工品品評会では、宮城県議会議長賞を受賞。売れ行きも「好調」で、個人や業者など県内外から注文が集まっているという。同担当者は「輸入品よりも手軽でおいしく、安全・安心な石巻産アンチョビの魅力をお伝えし、宮城・石巻の特産として街の活性につなげていきたい」と意気込む。
45グラム入りで希望小売価格は280円。イベントや県内の一部スーパーでは姉妹品の「国産アンチョビのバーニャカウダ」「国産アンチョビマヨネーズ」(以上、希望小売価格380円)も販売し、今後はネットショップでの取り扱いも検討している。