仙台を拠点に活動する現代アート作家の門脇篤さんが、「願いごとプロジェクト2007-2008」の参加者と「願いごと」を募集している。
門脇さんは毛糸を使ったインスタレーション作品を発表する一方、「まちとアート」をテーマに宮城県内でさまざまなアートプロジェクトを展開。7月1日から宮城県塩竈市で商店街一帯にアート作品を点在させる「塩竈・もとまちアート海廊(ウォーク)」を実施し、来月10日からは宮城県北部の東鳴子温泉郷を舞台にした「GOTEN GOTEN アート湯治祭」の開催を計画している。
同プロジェクトは、参加者から寄せられた「願いごと」を別の参加者の「願いごと」と交換するというもの。参加者は自分宛てに届いたほかの誰かの「願いごと」を一緒に祈り、1年後にそれがかなったかどうかの知らせを受け取る。「願いごと」や結果の交換はすべて無記名で、事務局となる「門脇篤まちとアート研究所」(仙台市青葉区片平1)を経由して行われる。
「仙台と言えば七夕。七夕と言えば『願いごと』だが、具体的な願いごとではなく、願うという『行為』に興味を持った」という門脇さん。「(願うこととは)究極的には自分以外の人間の存在を想定する、想像することなのだろうなと思い、それを体験できるような表現として『願いの交換』という手段を思い付いた」という。
初開催となった昨年は「お姉ちゃんに元気な赤ちゃんが産まれますように」「映像作家として一花咲かせたい!」「ちゃんと2キロのダイエットができ、維持していますように」「うちのわんこにボーイフレンドを見つけてあげて、青春を楽しませてあげる」といった思い思いの願いごとが集まった。1年経った現在、その結果を参加者同士で交換しているという。
昨年に続く開催に向けて、門脇さんは「体験型のアートで、私自身も、どんなものに出会うかわからないという期待感や、どうなっていくかわからないというドキドキ感がある。10年ほど続けて、何が見えてくるかを見極めてみたい」と話している。
願いごとの募集期間は8月20日まで。