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石巻の水産加工会社が「石巻鯨カレー」発売-松尾貴史さんとコラボ

木の屋石巻水産の松友さんと「石巻鯨カレー」。「一日も早く、自社工場で製造を再開したい」と意気込む

木の屋石巻水産の松友さんと「石巻鯨カレー」。「一日も早く、自社工場で製造を再開したい」と意気込む

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 石巻市の水産加工業「木の屋石巻水産」(石巻市、TEL 0225-23-1234)は11月11日、レトルト食品「石巻鯨(クジラ)カレー」の販売を開始した。

皿に盛り付けた「石巻鯨カレー」

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 鯨や魚、漢方牛を使った缶詰・加工品を製造する同社と東京・下北沢でカレー専門店「cafe 般゜若(パンニャ)」を運営するタレントの松尾貴史さんが共同で開発した同商品。昨年11月に企画が始動し、試作やパッケージコンペを経て「スパイシー鯨術(ゲイジュツ)カレー」として約5000缶を製造。「後はラベルを巻くのを待つ状態」で倉庫に保管していたところ東日本大震災が発生。社員1人が犠牲となり、工場は全壊。倉庫と直売所・事務所の建物も再起不能な被害を受け、ほとんどの商品が流された。

 震災後、OEM製造から工場再建への道を図る同社。現段階で製造が可能な商品として、「スパイシー鯨術カレー」のレトルト製品化に着手した。鯨肉の加工やレトルトのパウチは九州の工場で委託製造を行い、パッケージデザインはグラフィックデザイナーの佐藤卓さんが監修。震災以前とは商品の意味合いが大きく変わったため、商品名もシンプルに「石巻鯨カレー」とし、「震災や復興という言葉からの自立」という意味も込めてパッケージには「一人前」と記した。

 カレーは約10種類のスパイスを鯨肉に合うよう独自に配合し、ニタリクジラの鯨肉は熟成方法に手間を加えてスプーンでほぐれるほどの柔らかさに仕上げた。「鯨肉とのバランスもよく、ごはんにかけたりナンに付けたり、さまざまな食べ方が楽しめる」と商品開発担当の松友倫人さん。

 希望小売価格は630円。インターネット通販「ネットプライス」や、カフェ&スペース「スローコメディーファクトリー」(東京都世田谷区)内の「木の屋カフェ」などで先行販売し、15日から同社サイトでも販売開始。早くも注文が相次いでいるという。

 「たくさんの方に支えていただき、みんなで作り上げた一生忘れられない商品」と松友さん。「いまの木の屋にできる最良の商品が完成した。震災後、弊社を応援してくださった皆さん、『スパイシー鯨術カレー缶』を待ってくださっていたお客さまにぜひとも食べていただきたい」と利用を呼び掛ける。

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