仙台市青葉区のサンモール一番町商店街で6月19日、「Sendai Book Market」が開催された。
「Sendai Book Market」開催中のサンモール一番町
「6月の仙台は本の月」を合言葉に、市内各所で本にまつわるイベントを複数開催する「Book! Book! Sendai 2010」の一環として行われた同イベント。一般参加者40組による一箱古本市を中心に、市内の雑貨店が本をテーマにセレクトした商品を販売する物販ブース、盛岡のミニコミ誌「てくり」や、会津発のリトルプレス「oraho」などを扱う県外ブースも設置。特設ステージでは、音楽ライブやポエトリー・リーディング、「書店員POP大賞」の授賞式などさまざまなイベントも行われた。
一箱古本市には仙台を中心に東北近県や東京、名古屋から「一日書店主」が集まり、個性的な古本屋が軒を並べた。仙台の会社員・藤崎芳之さんは、80年代のSFX関連本や映画パンフレットなどを販売する「空想科学美術屋おんばっと」を出店。「実家を整理するからお前のものを何とかしろと言われた。捨てられずに取っておいたものなので手放すのは惜しいが、人のいるスペースまで圧迫するようになっては(笑)」(藤崎さん)と出店を決めたという。若い女性が兄のために劇場用映画「伝説巨神イデオン」のパンフレットを購入していくなど、「自分ではマニアックかなと思ったものでも、意外と買っていく人が多い」と驚いた様子をみせる。
「ばったりたおれ屋」を出店した岩手県一関市の会社員・杉浦宏幸さんは、アート写真集やアートブック、雑貨・インテリア関連の本を出品。店名が「チェブラーシカ」に由来していることに気付いた女性客から話しかけられたり、写真集を買い占めていく客がいたりするなど、「趣味の合う人と交流できて良かった」と振り返った。
秋田からは、「モノポリー秋田県版」やブログ「秋田おそがけ新聞」などを手がける鈴木正洋さんが「なまれ書房」として出店。自著本や同モノポリーのほか、秋田出身の有名人の本や秋田弁Tシャツなどを販売。「秋田にゆかりのある方が興味を持ってのぞいてくれた。来週秋田に行くからと言ってガイドブックを買っていった人もいたが、古い本だったので大丈夫かな…」(鈴木さん)。
愛知県犬山市からは「古書五っ葉文庫」を運営する古沢和宏さんが参加し、会場で「痕跡本ツアー」を実施。県内外から集まった6人の参加者とともに、前の所有者の書き込みが残る古本「痕跡本」を探し歩き、それぞれの「痕跡」に込められたストーリーを読み解いた。「お目当ての本を探すだけでなく、例えばこんな古本市の回り方もあるんだということを知ってもらうきっかけになれば」と古沢さん。
今月末まで、市内各所で「Book! Book! Sendai」の主催・参加イベントが開催される。詳しくはサイトで確認できる。