宮城大学の学生によるサークル「アートスタンダード」が、無料レンタル傘「もやいがさプロジェクト」の準備を進めている。
同グループは「アート・デザインで人々をつなぎ、心豊かな生活を生む」をコンセプトに活動。商業施設や蔵元と提携し、地域のコミュニケーションを促進させるプログラムの企画・運営を行っている。
今回のプロジェクトの内容は、忘れ物として回収され、保管期限が切れて警察から返却された傘を補修・リメークし、仙台市泉区のファッションビル「セルバ」(仙台市泉区泉中央1)で貸し出すもの。レンタル料は無料で、施設利用者や地域住民であることを問わず誰でも利用可能。使用後に同施設へ返却すると、施設内で利用できる「セルバECOポイント」1ポイントがもらえる。企画名は、「共同で使用する・共有する」の意味を持つ「もやう」から名付けた。
企画の発案者は同サークルのメンバーで、「筋金入りの雨男」だという金塚尚樹さん。コンビニのアルバイトを通して「にわか雨の時のビニール傘の売れ行きと、一方では数千本の『忘れ物傘』がゴミになっている現状」(同)を目の当たりにし、ビニール傘のリユースを思い付いたという。金塚さんは「捨てられる運命にあったビニール傘に新たな命を吹き込むプロジェクト。提供・協力してくれた方も、利用してくださる方も『ちょっといい気持ち』になってもらえれば」と話す。
傘のレンタル開始は6月18日(予定)。最初に用意する「もやいがさ」は約100本で、7月末まで試行期間を設ける。金塚さんは「提供者が増え、リユースのサイクルが理想的に稼動すれば継続していきたい」と期待を寄せる。