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仙台空港に傷だらけの「復興ピアノ」今年も設置 震災15年、「つなぐ」テーマに

演奏を披露した櫻井さん(手前)と千葉さん

演奏を披露した櫻井さん(手前)と千葉さん

 仙台空港(名取市)ターミナルビル1階センタープラザに2月28日、「復興空港ピアノ」が設置された。

演奏を終え、ローラの前で

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 同ビルを運営する「仙台国際空港」が2021年に行った「震災10年メモリアルプロジェクト」の一つとして設置が始まり、今年で6年目。東日本大震災から15年を迎える今年は「つなぐ」をテーマに掲げ、震災の記憶や復興の歩みを伝え、未来へつなぐ場とする。

 ピアノは1980年製の「YAMAHA G3」で、所有者は塩釜市在住のピアノ講師・櫻井由美さん。七ケ浜町にあった櫻井さんの実家で津波被害を受け、傷だらけの状態でがれきと共に置かれていたが、復興支援活動で現地を訪れていたシンガー・ソングライターMetisさんの呼びかけをきっかけに修復され再生した。外装の傷は残ったままで、故・西城秀樹さんの楽曲「傷だらけのローラ」にちなみ「ローラ」の愛称で呼ばれている。

 設置初日にはお披露目会が開かれ、櫻井さんと教え子の千葉陽真里さんが連弾で、復興支援ソング「花は咲く」と松任谷由実さんの「春よ、来い」を披露した。センタープラザに集まった聴衆のほか、旅行客や見送り客らも足を止め、音色に耳を傾けた。

 演奏を終えた櫻井さんは「震災から10年を過ぎると話題になることも少なくなる中で、こうして取り上げてもらえるのはありがたい。少しでも震災に気持ちを向けてもらえたらと思って演奏した」と話す。千葉さんは「15年という区切りの年に、音色で皆さんの心を癒やしたり、(復活したピアノが)今ここで輝いていることを伝えられたりできたらと思った」と振り返った。

 千葉さんは2011(平成23)年生まれで、震災の前日に母親のおなかにいることが分かったという。「2011年生まれの彼女とこういう活動ができることはとても意味があると思っている」と櫻井さん。「2011年以降に生まれた人たちにも、ここに来て弾いていただいて、このピアノから何か震災のことを受け取ってもらえたら」と願いを込める。

 演奏可能時間は9時~19時30分。前日までに予約が必要。設置期間は3月11日までだが、最終日は展示のみ。3月10日には復興祈念コンサートも予定する。

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