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仙台・鐘崎が「黒い笹かま」 低利用魚カナガシラと規格外のワカメ活用

インパクトのある真っ黒な笹かま「仙臺BLACK」

インパクトのある真っ黒な笹かま「仙臺BLACK」

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 仙台名物・笹(ささ)かまぼこの製造販売を行う鐘崎(仙台市若林区鶴代町、TEL 022-231-5141)が3月20日、日本航空東北支社(青葉区本町2)と共同開発した黒い笹かまぼこ「仙臺(せんだい)BLACK」を発売した。

「仙臺BLACK」5枚入りパッケージ

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 未利用魚など廃棄されることの多い食材の活用に取り組んでいる鐘崎。日本航空東北支社で地域活性化活動に取り組む「JALふるさとアンバサダー」で石巻出身の相澤枝穂さんと協力し、地域産品による産業の活性化とフードロスの削減を目指した同商品を開発した。鐘崎エシカル市場開拓プロジェクトの高橋美裕さんは「相澤さんと意見を交換する中で、食を通じた地域の課題解決をテーマに商品を開発することになった」と振り返る。

 原材料には、低利用魚である宮城県産カナガシラと、市場に出回りにくい規格外の石巻産ワカメを活用。イカスミを使い、黒い笹かまぼこに仕上げた。鐘崎では細工かまぼこで黒を使うことはあったというが、黒い笹かまぼこを開発するのは初めて。高橋さんは「見た目のインパクトや、新しいターゲット層へのアプローチも考慮し、黒い笹かまぼこという発想が生まれた。真っ白なかまぼこには加工しにくい魚でも活用でき、規格外ワカメの傷や色むらも気にならない」と話す。

 初めて使ったカナガシラは、すり身の弾力としなやかさのバランスを整えるのに苦労したという。「見た目のインパクトに負けないよう、カナガシラのうまみを生かしながら、ワカメの風味が引き立つようなバランスを試行錯誤し、深みのある味わいに仕上げた。笹かまぼこらしいしなやかな歯応えとぷりっとした食感の中にワカメの食感もしっかりと感じられる」と高橋さん。うまみと食感を実現するためにでんぷんや卵白などのつなぎは使わず、調味料も必要最低限にとどめたという。

 高橋さんは「笹かまぼこの伝統を知る方にはもちろん、新しいもの好きの若い世代や外国人観光客にも試してもらいたい。仙台・宮城の新名物になれば」と期待を寄せる

 価格は、1枚=280円、5枚入り=1,500円。現在は、「鐘崎総本店 笹かま館」(若林区鶴代町)、「鐘崎屋 エスパル仙台本館店」「鐘崎屋 エスパル仙台東館店」(以上、青葉区中央1)、仙台空港2階総合売店「萩」(名取市)で取り扱う。

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