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「仙台市ボッチャ大会」決勝大会 障害の有無など垣根越えた勝負で交流深める

一般の部決勝。優勝した「SHUGO」メンバーの一投

一般の部決勝。優勝した「SHUGO」メンバーの一投

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 「第3回仙台市長杯仙台市ボッチャ大会」決勝大会が3月2日、仙台市宮城野区の宮城野体育館で開かれた。主催は仙台市、仙台市障害者スポーツ協会。

小学生の部も白熱の戦い

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 2021年の東京パラリンピックで杉村英孝選手が日本初の個人金メダルを獲得したことで国内の関心が高まった「ボッチャ」。仙台でもその機運を高めるとともに、競技を通して交流を深めることで障害に対する理解促進を図ることを目的に、市は2022年度に同大会を初開催した。年々参加者が増え、今回は一般の部に104チーム、小学生の部に16チームがエントリー。各区予選リーグを勝ち上がった一般の部28チーム、小学生の部9チームが決勝大会に出場した。

 家族や競技仲間の応援も飛び交う中、出場者は真剣な表情でジャックボールと呼ばれる白い目標球を狙って赤と青のカラーボールを投げた。一投ごとに笑顔や苦笑い、悔しそうな表情を浮かべ、試合が終わると互いの健闘をたたえ合った。

 一般の部優勝は宮城野中の教員で結成したチーム「SHUGO(シュゴー)」。参加を決めてから2カ月間で5回ほど練習を行い、決勝大会に臨んだ。代表の伊藤沙也香さんは「思いがけない結果でうれしい。仲間の絆も深まって良かった」と喜びを表す。年齢、性別、障害の有無にかかわらず競い合えることから、「競技の特性上、障害がある人もない人も一緒に楽しくプレーできるので、さらに幅広い方々がスポーツに親しむきっかけになるような大会だった」と振り返った。

 小学生の部優勝は「鶴が丘ラビット」。優勝を決めた後、メンバーは2チームに分かれ、表彰に訪れた郡和子市長を交えエキシビションマッチを行った。

 仙台市障害福祉部部長の清水充さんは「障害のある方が体を動かす機会になればというのが大会の目的の一つで、もう一つは障害のある方もない方も同じフィールドで勝負を通して交流すること。区の予選会では視覚障害のある方が音で誘導を受けてボールを投げたり、聴覚障害のある方が手話でコミュニケーションを取りながらプレーしたりしていた。そういう姿を小学生も同じフィールドの中で何気なく見て、触れることがインクルーシブ社会の実現につながっていくのでは」と期待を寄せる。

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