仙台市若林区の「少林(わかばやし)神社」(仙台市若林区南小泉1)境内で9月28日、「猫塚古墳ねこまつり」が開催された。
同所周辺にはかつて直径7~8メートルの円墳、または前方後円墳の「猫塚古墳」があったとされる。古墳には、侍の飼い猫が妻に飛びかかって首をはねられ、大蛇から守るための行動だったと知った侍に手厚く葬られたという伝説が残る。現在その古墳はないが、少林神社の境内に「猫塚神社」と呼ばれる祠(ほこら)があり、数多くの招き猫が奉納されている。
同祭は、「地元の伝説をたくさんの人に知ってもらい、猫にまつわるさまざまな催しを通して地域住民と楽しく触れ合ってほしい」との思いから2006年に初開催。3回目となる今年は、これまでの10月第4日曜から9月末に開催日を変更した。
正午に同祭が幕を開けると、猫の着ぐるみを着た人や猫耳をつけた子どもたちなど、多くの市民らが猫に扮して祭りに参加。隣接する公会堂とその周辺を使用したフリーマーケット、猫グッズの販売、市民から募集した猫の写真やイラストなどの展示が行われ、猫石や猫灯ろう、猫折り紙、猫耳作りなど9つのワークショップも実施された。
14時(午後2時)22分22秒になると、境内に集まった参加者全員による「さん、に、いち、ニャー」のカウントダウンとともに「本まつり」へ突入。猫塚古墳の伝説にまつわる猫紙芝居や太鼓演奏、ねこ音頭のほか、「最初はニャー」の掛け声で始まる「ニャーじゃんけん」などのユニークな催しが行われた。毎年7月に「かんなみ猫おどり」を開催している静岡県函南町からのゲストも登場。「猫踏んじゃった」の音楽に合わせて、本場の「猫おどり」を披露した。
同祭実行委員会事務局長の菅原正和さんは「年々アイデアが増えてどんどん面白い祭りになっている。会場に入った瞬間、猫になった気分でのんびり楽しんでもらえるような祭りを今後も目指していきたい」と話す。