仙台の印刷会社「佐々木印刷所」(仙台市宮城野区日の出町2、TEL 022-236-1281)が制作した「マッチ箱マガジン」が12月7日、発売される。
「東日本大震災から時間がたち、東北への関心が薄れつつあると感じた」という同社の佐々木英明社長が、新たな土産物を通して東北の魅力を伝え、観光復興に寄与する目的で発案。「仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム(SC3)」の認定プロジェクトとして、仙台のクリエーターと連携しながら開発を進めてきた。
商品は県内の温泉地ごとに、鳴子・秋保・作並・遠刈田・白石の5種類を制作。オリジナルのマッチ箱の中に、観光情報をイラストエッセーで紹介する蛇腹折りのしおりと、各温泉地の系統のこけしをかたどった付せん2種類が入っている。
箱・しおり・付せんを手掛けたのは仙台在住またはゆかりのあるイラストレーターで、森友紀さん(鳴子)・たけのこスカーフさん(秋保)・泉友子さん(作並)・工藤ユキさん(遠刈田)・佐藤ジュンコさん(白石)の5人。それぞれ担当する温泉地を実際に訪れ、印象的だったスポットや体験を商品に落とし込んだ。SC3事務局の仙台市産業振興課・熊谷和典さんは「印刷会社の持つ知識や技術、クリエーターならではの感覚やデザイン、それぞれの強みが融合して生まれた良い事例」と喜ぶ。
「マッチ箱を購入した若い女性などが、しおりを見ながら実際に現地を訪れてくれれば」と期待を寄せる佐々木さん。「石巻や気仙沼など、沿岸部の地域資源をシンボルとした第2弾・第3弾も展開していきたい」と意欲を見せる。
価格は各500円。仙台市青葉区の「メリーメリークリスマスランド ディア」(青葉区春日町)で販売。今後、各温泉地の土産店や観光案内所とも交渉を進めていく。