伊坂幸太郎さんの小説「ゴールデンスランバー」が映画化されることが決まり、同作でメガホンを握る中村義洋監督らが3月25日、梅原克彦仙台市長を表敬訪問した。
同作は2007年に発表され、第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞を受賞した伊坂さんの代表作の一つ。仙台を舞台に、首相暗殺のぬれぎぬを着せられた元宅配ドライバー・青柳が巨大な陰謀から逃げるという逃亡劇。キャストは4月上旬に発表される予定。
中村監督が伊坂さんの作品を映画化するのは「アヒルと鴨のコインロッカー」(2007年)、今月公開された「フィッシュストーリー」に続く3度目。ロケを仙台・宮城で行うことになり、中村監督とプロデューサーの宇田川寧さん、遠藤日登思さん、若林雄介さんが仙台市役所を訪れた。梅原市長は、「せんだい・宮城フィルムコミッション」や関係機関と連携した撮影への全面的な協力を約束。「この作品でアカデミー賞いきましょう。期待しています」と中村監督らを激励した。
同作について、中村監督は「問答無用に面白い作品で、原作権の争奪戦になったほど。やれることになって本当にうれしい」と喜びを語った。ロケ地を仙台に選んだ理由については、「原作の舞台が仙台ということだけではなく、何でもそろっているけれど面積だけが東京より小さいというこの大きさが作品にぴったりだと思った」と話す。
中村監督が仙台・宮城ロケで映画を制作するのは「アヒルと鴨のコインロッカー」以来。「前回は泉や塩竃での撮影だったので、今回は青葉通や定禅寺通などの中心部で撮影したいと考えている。市民の皆さんにご迷惑をかけると思うが、思いっきり撮ってみたい」と意気込んだ。
撮影期間は5月上旬~6月末を予定。作品は2010年に全国公開される。