成猫の譲渡が進んでいないことから仙台市動物管理センター(愛称・アニパル仙台)が6月15日、猫の譲渡会を臨時開催する。
同センターでは年間を通じて収容した犬猫の譲渡を行っているほか、その周知や平日足を運びづらい人に来てもらうことも目的に、例年7月から12月の毎週金曜と月1回土曜に譲渡会を開いている。本年度も7月から開催予定だったが、成猫の引き取り手が少なく、子猫を含め収容している猫が増えていることから1カ月開催を早めた。
同センター所長の釜谷大輔さんは「成猫は体も性格も出来上がっていて落ち着きがあり、センターできちんと管理しているので体調も安定している。子猫は遊んでほしい盛りで手間をかけて育てる必要もあるが、成猫は少し出かけてもおとなしく留守番してくれるなど、飼いやすい面がある」と説明する。
センターでは2023年度、約250匹の猫を保護し、123匹を譲渡。2022年度の96匹を上回る109匹がやむなく殺処分となった。交通事故などで負傷した猫や生まれたての子猫など救えない命があるといい、室内飼育や不妊去勢手術、ワクチン接種など適切な飼育を訴える。
譲渡に当たり、注意事項をウェブサイトに掲載している。例えば、65歳以上のみで構成されている世帯の場合は世話人の承諾書が必要となる。釜谷さんは「今は若くても10年後、15年後にもお元気かどうか保証はないので、たとえ飼えなくなった場合でも次にお渡しできる方がいなければ譲渡はできない」と理解を求める。先住猫(すでに飼育している猫)やほかのペットがいる場合についても費用面や動物が受けるストレスの点で注意を促す。
「飼い主不明の猫や事故に遭った猫、飼えなくなった人から引き取った猫などが新しい家族に迎え入れてもらえるのを待っている。ペットショップ以外の選択肢として、猫を飼い始めるきっかけとして、譲渡会やセンターの取り組みを知ってほしい」と釜谷さん。「しっかりと室内で飼ってもらって、猫の最期まで一緒に幸せに暮らしてほしい」と願いを込める。
開催時間は10時~12時(最終受け付けは11時30分)。引き取り希望者は、譲渡事業についての説明を確認の上、身元確認のできる書類、集合住宅や借家の場合はペット飼育可能であることが分かる規約等の書類、キャリーケース持参が必要。