仙台市青葉区の勾当台公園・市民広場で1月6日、1年の防災を願う新春の風物詩「消防出初め式」が行われた。仙台の出初め式は1895(明治28)年から続く伝統行事。
小雪が舞い散る中、初めに消防職員・団員など約1,200人と消防車両によるパレードが行われ、式典を挟んだ後、消防音楽隊やカラーガード隊によるドリル演技、特別機動救助隊等による訓練、一斉放水などが披露された。
式の目玉である「伝統階子(はしご)乗り」には、仙台市内7消防団のはしご乗り隊175人が参加。長さ約7.2メートル、幅45センチのはしごの上で、「一本遠見」「鯱(しゃちほこ)」「釣亀」といった大技が披露されると、集まった市民からは大きな歓声や拍手が上がった。演技を初めて見る子どもからは「サーカスみたい」との声も。最後は参加者全員による三本締めで幕を閉じた。
県内では昨年6月に岩手・宮城内陸地震が発生し、今後30年以内に「宮城県沖地震」が発生する確率は99%とされている。仙台市消防局の職員は「今年1年、火災のない良い年になるよう市民の皆さまに呼びかけていくとともに、宮城沖地震に備え、地域防災力の高揚を基とした更なる防災・減災対策に全力で取り組んでいく」と気を引き締める。