高級酒を量り売りで提供する「buzaemon(ブザエモン)」(仙台市青葉区中央1、TEL 022-397-6643)が仙台駅西口の名掛丁センター街にオープンして2カ月がたった。
1927(昭和2)年創業、業務用酒類の卸売業を行う吉田酒店(太白区大野田2)の新業態。「当社では飲食店を通じて消費者にお酒を届けていたが、コロナ禍において飲食業界が大きな打撃を受けており、また飲食店に赴くことができない消費者が多く、お酒をお客さまの元に届けることが困難になっている」と同社営業部長の吉田智博さん。「酒屋の大切な役割の一つに『生産者と消費者をつなぐ』役割があると考えている。こんな状況下でも何とか皆さまにお酒を届けたい、良いお酒をより多くの方に味わってほしいという思いの下、店舗オープンを決断した」と話す。店舗面積は約7坪、席数はカウンター6席。
取り扱うのは、ワイン、日本酒、ウイスキー、ブランデーの中でも高級酒のみ。店内のセラーには、「ロマネコンティ」やボルドー五大シャトーなど、常時120種類以上の高級酒を取りそろえる。多くの飲食店ではボトルでしか注文できないものを、30ミリリットルから量り売りで提供する。「高級なものを買ったり飲んだりするとき、失敗しないように試せる店があったらいいなと自分自身が思っており、グラス単位であれば気軽に試してもらえるのではと考えた」と吉田さん。酒のつまみも用意する。
価格帯は、量り売り=1,000円~3万円、ボトル=5,500円~55万円。ラインアップ例は、「宮城県 新澤醸造店 超特選 純米大吟醸『残響/Super7』2020 精米7%」(グラス10ミリリットル=715円、ボトル=3万3,000円)、「シャトーラトゥール2009年ヴィンテージ」(同=4,862円、同=22万6,424円)、「ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ/ロマネサンヴィヴァン2012年ヴィンテージ」(同=9,438円、同=44万円)など。気に入った銘柄があればその場で購入できるほか、オンラインストアでも購入できる。「ネットで購入する前に味を確かめる場としても利用してもらいたい」と吉田さん。
8月12日にオープンしたが、まん延防止等重点措置や緊急事態宣言を受け、8月20日から休業。9月15日から時短営業を行い、10月1日から通常営業を再開した。現在は酒好きの客やカップルでの来店が多いという。吉田さんは「高いお酒を量り売りで楽しめる店は少ないと思う。大概のものはそろっていると思うので、憧れのお酒を目掛けて来てほしい」と呼び掛ける。
営業時間は18時~24時。月曜定休。