フカヒレの加工・販売を手掛ける「石渡商店」(気仙沼市)が7月7日、気仙沼のカキを使った油そば「牡蠣油麺(かきあぶらめん)」の販売を始めた。
1957(昭和32)年の創業の同社は、気仙沼産フカヒレを使った乾燥フカヒレや姿煮、ラーメンや点心、気仙沼産カキを使ったオイスターソースやしょうゆなどの加工食品を展開。2013(平成25)年から販売している「気仙沼完熟牡蠣のオイスターソース」は、同年の「第24回 全国水産加工品総合品質審査会」農林水産大臣賞を受賞した。
「当社のオイスターソースは海外のシェフからパスタに合うと好評で、バターやオリーブオイルなどの油脂と相性が抜群。国内においては卵かけご飯に合うとユーザーに評価されている」と同社担当者。「これまで蓄積した食に関するノウハウを生かし、麺や生卵、油脂類にオイスターソースをあえて食べる牡蠣油麺を開発した」と話す。
たれはオイスターソースをベースに、豚脂やニンニク、ごま油やごまペースト、醸造酢などを混ぜ濃厚な味わいに仕上げた。オイスターソースには4、5月に採れる気仙沼鮪立(しびたち)産の「もまれ牡蠣」を使い、カキ生産者の収益安定化にもつなげる。デュラム小麦粉を使った乾麺は、濃厚なたれに引けを取らないよう、もっちりとしてコシのある食感になる4.5ミリの太麺を採用した。
約10分間ゆでた麺を湯切りして、付属のたれを入れた器に移し、別添調味料(すりごま、おろしにんにく、ごま油)を加えてまぜ、好みで生卵、ネギ、タマネギのみじん切りなどを加えて食べる。
「まぜ麺や油そばを扱うラーメン店は、小さな子ども連れや女性1人では入店しにくい場合が多い。また、コロナ禍により外食が難しい状況も続いており、本格的な味を家庭で楽しみたいというニーズが高まっている。そこで、本格的な油そばをより多くの家庭で安心して味わってもらえるよう、たれは化学調味料無添加で商品化した」と担当者。「多くのお客さまに気仙沼、気仙沼のカキ、生産者のことを知ってもらい、『気仙沼を体感する』商品として手に取っていただければ」と話す。
価格は1食入り=648円。賞味期限は6カ月。同社オンラインショップのほか、「フカヒレイシワタJR仙台駅店」、気仙沼市内の土産店などで販売する。