キリンビール(東京都中野区)は5月10日、宮城県内で「一番搾り 仙台づくり」の販売を始めた。
全国9工場の各醸造長が、その土地の風土や郷土の味覚に合わせた一番搾りを開発した地域密着型商品「一番搾り“地元うまれシリーズ”」を昨年から展開する同社。昨年5月に発売した第1弾は当初予定の約3倍、12月に発売した第2弾は目標の約1.3倍を受注するなど、好評を得ている。第3弾となる今回は、「地元の誇りを、おいしさに変えて」をスローガンに、初めて全47都道府県の商品を展開する。
今回で第3弾となる「仙台づくり」は仙台工場限定醸造の商品。主原料に東北産ホップ、副原料に県内産ササニシキを使う。仙台工場醸造長の谷川満さんは「口に含んだ瞬間は上質な麦のうまさを感じる一方で、そのうまさがスッと消えていくようなすっきりとした後味が特徴。宮城の旬の素材や料理を引き立てる味わいになっている」と説明。イメージカラーは杜(もり)の都・仙台の青葉色で、裏面には七夕祭りのイラストをあしらった。
「仙台工場は東日本大震災で被災したが、宮城・仙台の皆さまのおかげで再出荷にこぎ着けることができた。そんな感謝の気持ちを表現するため、宮城の人が一番うれしいと思うビールを工場の皆で考えた」と谷川さん。「宮城の皆さんと造る、宮城だけの一番搾りをご賞味いただければ」と呼び掛ける。
350ミリリットル缶、500ミリリットル缶、中瓶(500ミリリットル)の3種類を用意。価格はオープンで、大瓶換算で6万ケース分を出荷。宮城県を中心とした仙台工場出荷エリアを対象に、スーパー、コンビニ、ドラッグストアなどで販売する。次回出荷は7月5日を予定し、売り切れ次第終了。
仙台工場では同商品のほか、今後各エリアで販売する「岩手づくり」「秋田づくり」(以上6月7日発売)、「山形づくり」「福島づくり」(以上8月2日発売)の製造も手掛けている。