宮城で特別展「医は仁術」 江戸の医療器具など240点、大沢たかおさん解説も

山脇東洋解剖図「剥胸腹図」「九臓前面図」「九臓背面図」

山脇東洋解剖図「剥胸腹図」「九臓前面図」「九臓背面図」

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 東北歴史博物館(多賀城市、TEL 022-368-0106)特別展示室で4月18日、特別展「医は仁術」が始まった。

木製の骨格標本「奥田木骨」

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 昨年3月の東京・国立科学博物館を皮切りに、長崎・宮城・金沢を巡回する同展。医書・解剖図・医療器具・薬箱など江戸時代の資料や医療道具から、現代の最先端の医療技術までを一挙に公開。宮城会場限定の資料も加えた、約240点を展示する。

 会場内は、「第1章 病はいつの時代も、身分の貴賤(きせん)なく、人々を襲う」「第2章 東から西へ~医術の伝来」「第3章 医は仁術~和魂漢才、和魂洋才の医」「第4章 近代医学と仁」「第5章 現代の医」で構成。「中国から来た漢方と西洋から来た蘭方が、『医は仁術』が実践された日本で、いかに独自に発展して人々を救ってきたかを探る内容」(同展担当者)。

 主な展示物は以下の通り。日本初の翻訳解剖書「和蘭全駆内外分合図」、77年ぶりに発見された杉田玄白らの直筆漢詩「杉田玄白・桂川甫周書軸」、杉田玄白らが3年半の月日をかけて完成させた西洋解剖書「解体新書」、1754(宝暦4)年に日本初の実証的解剖を行った山脇東洋が所見と図をまとめた「蔵志」の原図と考えられる「山脇東洋解剖図『剥胸腹図』『九臓前面図』『九臓背面図』」、仙台藩医・大槻玄沢が師・杉田玄白に命じられて改訂した「重訂解体新書」、接骨術の教材として製作された木製の骨格標本「奥田木骨」など。

 宮城会場特別企画として、東北大学が所蔵する江戸時代からの医学・医療資料の展示や、同大が取り組む最新医療も紹介。映像展示室では、鉄拳さんが同展のために描き下ろした新作パラパラ漫画「受け継がれる仁」も上映する。上映時間は約8分。

 「仁は儒教で重視された『他を思う心』。古来、和を大切にしてきたわが国で、仁は身分の上下なく誰もが持つべき思想として浸透し、受け継がれてきた」と同担当者。「江戸時代から続く医に対する考え方や習慣は、社会全体で長く共有され、現代日本の医療に受け継がれている。人と医、社会と医の関係が大きく変容している現在、本展がこれからの医学・医療について考える契機となれば」と期待を寄せる。

 開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(5月4日は開館)。観覧料は、一般=1,200円、シルバー=1,000円、小中高生=500円。TBSドラマ「JIN-仁-」で主人公・南方仁役を演じた俳優の大沢たかおさんがナレーションする「音声ガイド」(520円)も用意する。6月21日まで。

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