宮城県美術館(仙台市青葉区川内元支倉、TEL 022-221-2111)2階展示室で現在、「ミュシャ展~パリの夢 モラヴィアの祈り~」が開かれている。
19世紀末を代表するチェコ・モラヴィア出身の画家アルフォンス・ミュシャ(1860年~1939年)。1894(明治27)年に舞台女優サラ・ベルナール主演「ジスモンダ」のポスターを手掛けたことで脚光を浴び、アール・ヌーボー様式の巨匠として人気を博した。日本でも幅広い人気があり、1978(昭和53)年に初のミュシャ回顧展を開催。以後、現在まで大規模な展覧会がたびたび開かれている。
同展では「あなたが知らない本当のミュシャ」をキーワードに、「これまでの展示会とは一線を画し、ミュシャの芸術家としての功績を通じて、作品のみならず今まであまり知られてこなかったミュシャの思想や芸術理念までも紹介する」(同展担当者)。昨年3月の東京展を皮切りに、新潟・松山・宮城・札幌の全国5会場を巡回する。
会場内は、「チェコ人ミュシャ」「サラ・ベルナールとの出会い」「ミュシャ様式とアール・ヌーヴォー」「美の探究」「パリ万博と世紀末」「ミュシャの祈り」の6章で構成。「ジスモンダ」をはじめとする代表的なカラーリトグラフ作品をはじめ、絵画、パステル、宝飾品、素描、立体物、プライベートコレクションなど246点を展示する。世界初公開となる「スラヴ叙事詩第9番(クジージュキの集会)」下半分の下絵など、ミュシャの代表作「スラヴ叙事詩」連作につながる13点の習作や下絵も。
グッズ販売ブースでは、80種類のポストカード(各120円~)、クリアファイル(400円~)、マット付き額絵(各1,000円)、カレンダー(1,575円)、ジグソーパズル(1,890円~)、展覧会カタログ(2,000円)のほか、ハンドタオル、ポーチ、アクセサリー、菓子などを用意。人気洋菓子店「マダムシンコ」とのコラボスイーツや、デザイナー集団「パンソンワークス」とのコラボグッズも。
連日にぎわいをみせる同展。宮城県美術館の有川幾夫館長は「ミュシャはポスターで広く知られている有名な画家だが、もっと幅が広い。一つの時代の中で自分の思想を持って生きた一人のアーティストとして、同展を見ていただければ」と来館を呼び掛ける。
観覧料は、一般=1,300円、学生=1,100円、小・中・高校生=600円。開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館。3月23日まで。