ザ・モール仙台長町(仙台市太白区長町7)2階「いこいのひろば」で2月17日、「ビブリオバトルみちのく決戦」宮城予選が行われた。
「ビブリオバトル」は、立命館大学情報理工学部知能情報学科の谷口忠大准教授が考案した新しいスタイルの「知的書評合戦」。ビブリオバトラー(発表者)がお薦めの本を持ち寄り、1人5分の持ち時間で書評。バトラーと観客が一番読みたいと思った本を「チャンプ本」として決定する。
大学・図書館・書店などを中心に全国各地で展開。今回の「みちのく決戦」は、東北地区のビブリオバトル普及を目的に、宮城教育大学ビブリオバトルサークル「BIBLion」が企画。東北6県の大学生・大学院生を対象に各県で予選を行い、勝ち抜いた各2人ずつが本選で東北ナンバーワンの「チャンプ本」を決定する。
各県に先立ち行われた宮城予選には6人の大学生が参加。漫画・文芸作品・実用書などを持ち寄り、その本との出会いやエピソード、選んだ理由、見どころや好きな一説などを交えて本を紹介した。
この日の「チャンプ本」に選ばれたのは、宮城教育大学4年・後藤俊さんが推した三島由紀夫の「不道徳教育講座」。本との出合いや自身の父親とのエピソード、本を読んでの実践例などを交えてユニークに紹介し、最も多くの票を集めた。「ただ面白い話をしようと思って来たので、まさか選ばれるとは思わなかった。本選も楽しみたい」と話す。
同大3年・石川智絵さんが紹介したステファノ・フォン・ローの「小さい“つ”が消えた日」も2番目に多くの票を獲得し、本戦に駒を進めた。「図書館で見つけて、すごく薄い本だなと思って手に取ったのがきっかけ(笑)。皆さんに興味を持ってもらえたことがうれしい」(石川さん)。
同サークル代表の貝森義仁さんは「ビブリオバトルは『本を通じて人を知る、人を通じて本を知る』ことのできるコミュニケーションゲーム」と説明。「本好きな方のみならず、普段あまり本を読まないという方も観客として参加いただければ」と呼び掛ける。
本選は3月16日に仙台駅前の「アエル」(青葉区中央1)1階アトリウムで開催。開始は11時。入場無料。