仙台と東京を拠点に、プロモーションビデオやテレビコマーシャルのCG映像を手がけるクリエーティブプロダクション「WOW」(仙台市青葉区一番町3)は9月20日~23日、イギリス・ロンドンで開催されたデザインイベント「Tent London」(テント・ロンドン)に出展した。
同イベントは9月15日~25日に開催された「ロンドン・デザイン・ウィーク」の期間中、ロンドン東部のブリックレーンで行われたデザイン・エキシビション。会場は18世紀初めに建てられたビール醸造所の施設で、現在は会社、店舗、イベントスペースとして利用されている「Truman Brewery」(トルーマン・ブリュワリー)。「若手のデザイナーと経験豊かな製造業者の双方にとって魅力的な展示会」とされ、ヨーロッパを中心に約300のデザイナーや企業が家具やプロダクトデザイン、映像作品などの展示を行った。
同社では7月に出版した10周年記念アートブック「WOW10」の展示を中心に、同書をテーマにしたモーショングラフィックスの新作を発表。プロジェクターから映し出されるCGと、人や花瓶、水槽などの影をミックスしたインスタレーション作品「Tengible」も公開した。実際の影とCGを織り交ぜることで幻惑的な映像が投影される同作は、仙台のデザインチームが制作。仙台市内で11月~12月に開催される「仙台芸術遊泳2007」でも公開される予定。
同社ビジュアルアートディレクターの鹿野護さんは出展の理由について、「未知の領域に挑戦しないと創造性が閉塞的になってしまう。自分たちの持っている感覚と技術をもっと多くの人に知ってもらって、狭い範囲ではなく、グローバルな視点で日本発のものを作りたい」と話した。同社は今後の展開として、ロンドン進出も視野に入れている。
また、今回の出展を通して鹿野さんは、「仙台でも国際的なクリエーティブイベントを開催できる可能性があるかもしれないと思った」という。会場が工場跡のリノベーション施設だったこともあり、「古い建物をスクラップ&ビルドしない街作りを、仙台はもっと積極的に行うべきでは」とも。