会員制宅配事業を手掛ける「らでぃっしゅぼーや」(東京都港区)は6月6日、仙台駅東口に「らでぃっしゅぼーや東北センター」(仙台市宮城野区名掛丁)を開設する。
1988(昭和63)年から有機・低農薬野菜、無添加食品、環境に優しい日用雑貨などの会員制戸別宅配を行っている同社。現在、東京・神奈川・北海道・愛知・大阪・福岡に物流センターを展開し、全国に約10万6000世帯の会員を持つ。仙台には1995年に配送拠点を設置したが、2002年に撤退していた。
同社では「仙台市とその近郊地域には当社が利用者と想定している『子育て層』家族が多く、また、福島第一原子力発電所事故により、トレーサビリティが明確で放射能検査体制も整った食品に対するサービスが求められている」(同社広報担当者)と考え、再度仙台進出を決定。仙台・東北の経済や雇用拡大に寄与できればと、当初の計画よりも早い開設に踏み切るという。
6月にオープンする同センターは、一般市民も利用できるアンテナショップとしての役割を持たせる。同社初の試みで、会員受け付けや資料配布をはじめ、商品PR、コミュニケーションスペースの場としても利用する。「当社では90%が他で買うことのできないオリジナル商品。一部の野菜や加工品などの商品を、手に取って見て、試食して、購入していただけるようにすることも検討している」という。
宮城野区に物流拠点(宮城野区扇町3)も開設し、仙台市内(一部西部の山間部は除く)への配達も行う。「東京・板橋で箱詰めを行い、宅配便を利用していたことから、配送料のお客さま負担が大きかった。仙台に開設することで配送無料または189円となるので、お客さまの利便性が良くなる。これまで断念されていた方にもぜひご利用いただければ」とも。
すでに市内配達エリアで300世帯の会員を得た。同担当者は「仙台市内で本年度中に1000~2000世帯の会員数を目指し、配送エリアも徐々に増やしていきたい」と意気込む。