仙台国際センター(仙台市青葉区青葉山)で6月11日、東北就活生支援プロジェクト「リクサポ」による合同企業説明会が開かれた。
同プロジェクトを運営するのはソーシャルリクルーティング(東京都渋谷区)。東日本大震災の影響で就職活動が困難になった就活生の支援のため、この春学習院大学を卒業した春日博文さんが起業。企業に対してスカイプを使った面接の実施、通年採用、東北での会社説明会実施などを呼び掛け、賛同を得た企業をサイトに掲載。現在は約100社が登録している。「多額のお金を寄付することはできないが、同世代の人たちが困っている中で何かできないかと考えた」(春日さん)。
被災地での就職活動の現状を知るため東北の大学を回り、「東京にいた時に震災が起きたため、東京での就活がトラウマになってしまっている」「家が流され、アルバイトもなくなってしまい、ガレキ撤去作業の毎日」「本当は地元にいたいが、自分が家族を支えなくちゃいけない」という切実な学生の声を聞いた。「東北の求職数が確実に減っている一方、積極採用をしている東京の会社もたくさんある。ここをつなげることができるのでは」という思いを強めた。
今回が初めての合同説明会には「インタースペース」「DYM」「リアルワールド」「ウイングル」などIT企業を中心とする9社が参加。仙台市内や石巻などから86人の学生が集まり、各企業の説明を真剣な面持ちで聞いた。企業からは早くも内定に向けた動きや「東北の大学生の元気さを直接目にできてうれしかった」という声もあるという。
「参加した学生の方からも感謝の言葉をもらい、本当にやってよかった」と春日さん。今後は「大学のキャリアセンターとも連携し、企業とのマッチングをさらに図っていきたい」と意気込む。