宮城県内の企業や商店などの「ご当地CMソング」50曲を収録した「宮城なつかしCM大全集」が、4月25日の発売から2日で完売した。
仙台市の書店、宝文堂(仙台市青葉区中央2)では発売前から予約や問い合わせが殺到し、発売当日までに予定していた販売セットの半数以上が予約済みとなった。25日朝から行った店頭販売でも開店前から来店客の行列ができ、16時には完売。同店の小山剛生店長は「宮城県内や東北近県はもとより、東京、九州からも予約が入ったことに驚いた。専用の名簿を作成するなど対処に追われて大変だったが、スタッフと一緒にお祭り騒ぎを楽しんだ」という。
制作・販売に携わったイーピー(宮城野区榴岡3)の佐藤正実社長は「県内のメディアが一斉に紹介してくださったこともあり、書店や購入希望者からの電話が鳴りっぱなしだった」という。予想外の反響について、「昭和30~40年代のにぎやかで活気に充ち満ちていた仙台が、多くの方々の思い出ともがっちりとリンクされていたようだ」と分析。
「一つの記録として後世に残したいという思いで作った『記念碑』的な事業だった。こうして広く市民の皆さんから反響があったことで、自分たちがやってきたことは非常に意義があったと実感できた」と振り返るのは、CDを企画した「宮城なつかCM保存会」の伊藤豊生代表。
さらに、同保存会で著作権者や音源所有者らとの交渉を直接行った伏谷宏二さんは「ブックレットに入れられなかったエピソードやマスターアップ後に発見された音源もあり、すべて入れられなかったのは残念」としながらも、「多くの関係者のご協力により作り上げられたものが、こうして即完売となったことはとてもうれしい」と話している。
同商品は1,000枚限定商品のため、「みなさんに届けられなくて申し訳ないという思いもある」(伊藤さん)というが、現時点では再販の予定はない。