仙台駅前の複合ビル「アエル」(仙台市青葉区中央1)5階・多目的ホールで6月5日、活弁士・山崎バニラさんの「活弁ライブ」が開催された。
「丸善」仙台アエル店(同所、TEL 022-264-0151)の8周年記念イベントとして行われた同ライブ。山崎さんが白石市生まれで宮城にゆかりがあることから企画された。
山崎さんは、大正琴やピアノで弾き語りを行う「新たな形態の活弁士」。独特の「ヘリウムボイス」と、金髪に着物といういでたちが特徴で、アニメ「ドラえもん」ジャイ子役などの声優や、ナレーター、テレビタレントとしても活躍する。
ライブには約300人が来場。山崎さんは日本の無声アニメ映画「心の力」(1931年)と、「喜劇王」ハロルド・ロイドの無声コメディ映画「豪勇ロイド」(1922年)を、それぞれ大正琴とピアノの弾き語りで披露。観客のほとんどが活弁を見るのは初めてだったが、山崎さんの軽快な語り口で会場は終始笑い声に包まれた。
ライブの合間には地元トークも。「昔は仙台の初売りや七夕にも毎年来ていた。今も楽天の試合がある時は結果を見て一喜一憂している」「わたしの先祖は片倉小十郎家の御殿医だったと言われている。それで先祖代々のお宝を『開運!なんでも鑑定団』で鑑定してもらったが、レプリカと判明した(笑)」(山崎さん)。ライブ後には同施設1階のアトリウムでサイン会を行い、ファンとの交流を楽しんだ。
ライブを終え、「初めて1時間の長編に挑戦し、途中で疲れてしまって『ダメかも』と思ったが、お客さまの笑い声に助けられ励まされた」と山崎さん。「活弁は日本独特の文化だが、見たことのない人は多い。全国各地でライブを行っていくことで、多くの人に活弁を知ってもらうきっかけがつくれれば」と意欲をみせる。