仙台市科学館(仙台市青葉区台原森林公園)特別展示室で6月20日・21日、「知能ロボットコンテスト・フェスティバル2009」が開催された。
同イベントは、ロボットエンジニアや、エンジニアを目指す学生らに切磋琢磨(せっさたくま)と交流の場を提供し、未来のロボット開発を担う人材を育成することを目的に毎年行うもの。21回目となった今年は、県内のほか東京・名古屋・京都・福岡など全国から80チームが参加。大学の研究室やサークルの学生が中心だが、中には中学生や会社員の参加者も。
大会は自立型ロボットによるもので、競技中はロボットを一切操縦できないのが特徴。競技内容は、縦横1.8メートルの競技台の上にランダムに置かれた3色のボールや空き缶を、それぞれ色分けされたゴールに入れるもの。審査はタイムと正確性、パフォーマンス性や芸術性などで総合的に評価される。
各チームからは形やデザイン、サイズもそれぞれ異なるロボットが出場。ボールをつかみ取る方法もオーソドックスなアームのほかベルトコンベヤー方式、吸引力を利用したものなどチーム独自の工夫が施されていた。
2日間の来場者数は延べ2,400人。小学生からお年寄りまで幅広い層が訪れ、ロボットたちの一挙手一投足を見守った。静かな熱戦の末、優勝したのはチャレンジコース=東北工業大学高校・からくりチームの「戦艦『長門』」、テクニカルコース=東京農工大学・ホンキッキーズの「くるとがSHIFT」。
表彰式後の審査員総評で、東北学院大学工学部准教授の岩本正敏さんは「今年はパーフェクトなものや安定的な技術のものなど、レベルが高いロボットが多く、安心して見ていられた」というコメント。新日鉄ソリューションズ主務研究員の笹尾和宏さんは、「ほかのチームの良いところを吸収して、どんどん独創的なロボットを作ってほしい」とエールを送った。