
縄文時代の文化や社会を紹介する特別展「世界遺産 縄文」が7月12日、東北歴史博物館(多賀城市、TEL 022-368-0106)で始まった。
2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・東北の縄文遺跡群」から出土した資料を中心に、土偶や土器、装飾品など、国宝、重要文化財、指定文化財を含む資料約420点を展示。多彩な資料を通して、「一万年」「一生」「一年」という3つの時間軸で縄文時代の文化や暮らしを紹介する。
「北の縄文文化一万年」では、1万年の間に営まれた文化や社会について紹介。東北の遮光器土偶の共通性と特徴を紹介するコーナーも用意する。「縄文人の一生」では、子どもを産み育てる様子を表現した土偶や、髪飾りや耳飾りといったアクセサリー、実際に埋葬されていた人骨などの資料を通して、誕生から成長、死までを紹介する。「縄文人の一年」では、実物資料や模型、剥製などの資料で、自然と共生するサステナブルな縄文人の暮らしを紹介する。
担当学芸員の山田凜太郎さんは「今から何千年も前に、われわれの先祖でもある縄文人が高度な文化を築いており、自然の恵みを上手に享受しながら、豊かでサステナブルな暮らしをしていたことを感じてもらいたい」と話す。
風張1遺跡(青森県八戸市)出土の合掌土偶(国宝)、恵比須田遺跡(大崎市)出土の遮光器土偶(重要文化財)など、宮城会場限定で展示されるものも多数ある。会場は全て写真撮影可能で、フォトスポットも多数用意する。山田さんは「普段は各地域で大切に管理されている貴重な資料が一堂に会す展示なので、多くの皆さまに来場してもらえたら」と呼びかける。
開催時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(7月21日、8月11日、9月15日は開館)。料金は、一般=1,600円、高校生以下=800円、未就学児無料。9月15日まで。