松島の海岸通りにあるローカルフードセレクトショップ「M Pantry(エム・パントリー)」(松島町、TEL 022-349-5141)が2月16日、オープン3周年を迎えた。
東日本大震災後、「地元のために何かできることはないか」と松島出身の店主・鈴木幸太郎さんが、妻の貴子さんと2014年に開いた同店。地域の伝統食材や新しい発想から生まれた商品など「宮城のおいしいもの」をセレクトし、松島から発信している。店名は「宮城・松島=M」「貯蔵庫=Pantry」から付けた。
店舗面積は約10坪。店内には、「宮城・松島の食の貯蔵庫、食のセレクトショップ」をコンセプトに、鈴木さんが実際に味見をして、おいしいと思ったものを厳選して取りそろえる。現在は、仙台みそ・かきしょうゆ・藻塩・ラー油などの調味料、カキやカツオなどを使った水産加工品、しそ巻きや温麺などの名物、地ビールや地酒、コーヒーや和菓子など約90品をラインアップする。
「納得して購入してもらいたい」との思いから、できる限り試食を用意し、商品の歴史や特徴、生産者の思いなどのエピソードも紹介する。
名物は、宮城県産ひとめぼれの米粉とカキ丸ごと一粒を使った煎餅「カキとコメと」(焼きたて1枚240円、持ち帰り用1枚250円)。団子状にした米粉の上にカキをのせ、店内の高温プレス機で焼き上げた煎餅で、「味付けはほんのちょっとの調味料だけ。カキの自然なうま味が楽しめる」(同)。季節限定として、現在はユズ味も販売している。
「(3年は)あっという間だった。お店を知ってもらうこと、新しい宮城の商品を発信していくことなど、まだまだやらなくてはいけないことがたくさんある」と鈴木さん。「僕らもまだまだ知らない商品がたくさんある。まだ知られていないもの、なじみすぎて気付いていないもの、新たな発想で生み出されたものなど、これからも一つ一つ丁寧に発掘していきたい。食を通じて宮城の良さを発信し、地域活性化につなげていければ」と意気込みを新たにする。
営業時間は9時30分~18時。水曜定休。