江戸時代の仙台藩を舞台にした映画「殿、利息でござる!」に、仙台市出身のフィギュアスケーター羽生結弦さんが出演することが2月4日、発表された。
松竹とKHB東日本放送による共同製作映画となる同作。原作は、「武士の家計簿」などの著作で知られる磯田道史さんの「無私の日本人」(文春文庫刊)の一編「穀田屋十三郎」。監督は、仙台を舞台にした映画「アヒルと鴨のコインロッカー」「ゴールデンスランバー」や、「白ゆき姫殺人事件」「予告犯」「残穢(ざんえ)」などでメガホンを取った中村義洋さんが務める。昨年7月~8月に宮城・山形で撮影された。
ストーリーは約240年前の江戸中期、年貢の取り立てや労役で貧困にあえぐ仙台藩の宿場町吉岡宿を知恵と工夫と決死の覚悟で救った商人たちを描く、実話を基にした内容。出演は、阿部サダヲさん、瑛太さん、妻夫木聡さん、竹内結子さん、松田龍平さん、寺脇康文さん、きたろうさん、千葉雄大さん、橋本一郎さん、中本賢さん、西村雅彦さん、重岡大毅さん、草笛光子さん、山崎努さんほか。
羽生さんの役どころは同作のタイトルにもなっている「殿」で、仙台藩藩主・伊達重村。「出演シーンは少ないながらも物語にとって重要な役柄であり、困窮する庶民の前にさっそうと現れる殿」だという。羽生さんは故郷である仙台に実在した人物たちの感動秘話に、自身初となる映画出演を快諾したという。
「お芝居はスケートとは違って振りが無く、言葉を使い、セリフに合わせて動かなければいけないのでとても難しく、撮影現場では緊張してしまったが、映画製作の雰囲気を感じられて、素敵な俳優さんたちにもお会いできて楽しかった」と羽生結弦さん。「撮影は昨年の夏だったが、試合のプログラムだけではなくエキシビション、ショー等でも、表現者として今回の貴重な経験を生かすことができたのではないかと思っている」とコメント。
「地元宮城にこんな素晴らしい話があったということに驚いている。殿様として、威風堂々とした姿と優しさを兼ね合わせるそのギャップを、自分なりに表現出来ればと思い一生懸命やった。ぜひ楽しみにしてください」と呼び掛ける。
宮城県先行公開は5月7日、全国公開は5月14日。