宮城県美術館(仙台市青葉区川内元支倉、TEL 022-221-2111)2階展示室で5月31日から、特別展「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」が開かれる。
「鉄腕アトム」「ブラック・ジャック」などで知られる漫画家・手塚治虫さんと、「サイボーグ009」「仮面ライダー」などを生み出した宮城県登米市出身の石ノ森章太郎さんにスポットを当てた同展。昨年6月の東京都現代美術館を皮切りに、広島・大阪・山梨・宮城・長野の6会場を巡回する。
プロローグ「ここから はじまり」から始まり、「二人の出会い マンガ誕生」「爆発するマンガ 時代への挑戦」「“ちから”の本質対決」「未来へ生き続ける“ちから” 現代作家によるオマージュ作品集」の4部で構成。2人の直筆原稿・イラスト・設定資料・構想ノートなど約180点を展示し、「代表作の原画や映像などを通して、2人の歩みや作品に込められたメッセージを振り返る」という。
中でも注目は、約25年開かずの状態となっていた手塚さんのロッカーから発掘されたという「TVアニメーション『ふしぎなメルモ 第4話 チッチャイナ国のとりこ』未使用設定画 ネズミ」「TVアニメーション『ふしぎなメルモ 第8話 ママがかえって来た!』未使用設定画 ヘビ」、石ノ森さんがトキワ荘時代に描きためた「『ボクの落書ノート』1956年前後にトキワ荘にて描かれた落書きノート」。いずれも宮城会場が初展示となる。
手塚さんが入居したのを機に、石ノ森さん、赤塚不二夫さん、藤子不二雄さんなどの漫画家たちが集ったアパート「トキワ荘」も4分の3サイズで再現。漫画家、絵本作家、イラストレーター、文化人、アーティスト、現代美術家など2人の漫画から大きな影響を受けた国内外の36組による「2人へのオマージュ作品」も展示する。
同展担当者は「今や世界的な文化として成長した漫画。その地位が確立したのは、漫画の可能性を大きく広げた漫画の神様・手塚治虫と、それに呼応し漫画を育て上げていった漫画の王様・石ノ森章太郎の存在があったからといえる。当展を通して、時代を超えて世界を変えてきた『マンガのちから』を体感してもらえれば」と来館を呼び掛ける。
開館時間は9時30分~17時(発券は16時30分まで)。月曜休館(7月21日開館、7月22日休館)。観覧料は、一般=1,200円、学生=1,000円、小・中・高校生=600円。7月27日まで。