提供:宮城県循環型社会推進課リサイクル推進班 制作:仙台経済新聞編集部
ごみを減らし、物を大切に使い、分別して資源に戻すことで地球の環境を守り、持続可能な社会を実現するため、宮城県は「ごみの減量化」「3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進」「プラスチックごみや食品ロス削減」に取り組んでいます。その普及啓発の一環として11月9日、大崎市古川総合体育館で開催された「おおさき環境フェア2024」にブース出展しました。
会場ではテレビでおなじみの気象キャスターによる環境講演会や、大崎市内の小中学生から身近な環境問題をテーマに募ったポスター作品の展示、「もったいないフリーマーケット」のほか、自然環境保全活動の紹介、環境とエネルギーに関する展示やリサイクルゲームコーナーなどを展開。屋外でも植物性油から作られる燃料で動くバイオゴーカートの試乗や、宮城県次世代エネルギー室による燃料電池バスの展示が行われました。
子どもも楽しめるコンテンツが豊富で親子連れの参加が多いことから、宮城県循環型社会推進課では、親子で気軽に環境問題について学べる「SDGsアドベンチャー」を企画。ブースに用意した「ポイポイ島」「フィッシング島」「ロゼット島」の3つの島でのゲームを通して、3Rについての気付きが得られる内容です。
「ポイポイ島」は、ボールプールの中から缶や瓶、ペットボトルや牛乳パックなどの資源ごみが書かれたカプセルをマジックハンドでつかみ、分別してごみ箱に入れるゲームです。分別されたごみが、その後どのように再利用されるのかを学んでもらいます。
「フィッシング島」は、魚や海藻、クラゲやヒトデなど海の生き物のパネルを釣り上げるゲーム。海に見立てたボールプールには缶やビニール袋、タイヤといった自然分解されないごみが入っており、ゲームを通して海に漂う海洋ごみの問題に触れてもらいました。
「ロゼット島」は、ペットボトルキャップと布の端切れを使ってブローチを作るワークショップ。不要になった物ですてきなブローチを完成させ、普段はごみとして処分している廃材を再利用する方法を知ってもらいました。
子どもたちがゲームを楽しむ中、スタッフはゲームに関連するごみの問題や3Rについて、分かりやすい表現で子どもたちに伝えていました。全ての体験をしてスタンプを3つ集めた参加者には、冒険家の証しとして「SDGs缶バッジ」をプレゼント。スタッフと一緒に自らの手で缶バッジを完成させ、お土産に持ち帰りました。
参加した親子にお話を伺いました。兄弟で参加した大崎市在住の11歳の男の子は「なるべく自然を崩さないように、ごみを持ち帰って捨てることを教えてもらった」と元気に回答。8歳の弟は「釣りのゲームが楽しかった」と言い、プールの中に何があったか聞くと「魚とかワカメとかと、タイヤと紙とビニールがあった。そういうのはなくさないと駄目」と問題を感じ取った様子でした。
兄弟の母親は「勤務先ではSDGsに取り組んでいるので意識していますが、子どもたちが触れる機会は普段ないので、こういうゲームを通して意識してもらえたらいいですね」と期待を寄せます。
「ポイポイ島が楽しかった」と答えてくれたのは6歳の女の子。「アルミ缶がスマートフォンになるんだって。知らなかった」と驚いた様子。母親は「遊びがいっぱいあってカラフルなブースで、(スタッフの)お兄さんお姉さんも優しかったですし、子どもに寄り添ってもらっていたのが良かったです」と話します。
4歳と7歳の娘と参加した父親は日常の3Rについて、「燃えるごみと燃えないごみ、缶やペットボトルを分けて、こっちは緑の袋、こっちは赤の袋だよねと、上の子は分かるようになってきました」と話します。「ごみ捨てはパパと一緒に行ってくれているよね」と聞くと、7歳のお姉ちゃんは「うん」とうなずきました。今日の感想を聞くと「面白かった。缶バッジを作った」と笑顔。
父親は「普段の生活の中で教えることもなかなかないので、こういった機会があるといいですね。下の子にも教えていけたらなと思います」と話すと、4歳の女の子は「えへへ」と照れくさそうに笑っていました。
そのほか県のブースでは、アンケートに答えていただいた方に再生PETを材料にしたレジカゴタイプのトートバッグを進呈。むすび丸も駆け付け来場者と触れ合い、記念撮影に応じていました。
県のブースでは「みやぎフードドライブ2024」も同時開催しました。県では食品廃棄物の発生抑制を推進するため、家庭や飲食店における食品ロスの削減に向けた取り組みを行っています。「みやぎフードドライブ2024」はその一環として、10月の「食品ロス削減月間」および10月30日の「みやぎ県民食べきりの日」に合わせ、家庭で眠っている、まだ食べられるのに捨てられてしまいそうな食品を集め、フードバンク団体に寄付する活動を行っています。
この日乾麺やインスタント食品を持ち込んでくださった60代の女性は「家族と同居するようになり、1人暮らしの時に買っていた食品が消費し切れなそうだったから持ってきました」とのこと。「イベントのチラシでフードドライブを知って、提供できる物がいっぱいあるし、消費期限もまだ十分あるので出してみようかなと思いました」と話し、「こちらとしても片付けになるし、それが欲しいところに届けばいいなと思います」と期待を寄せます。
米どころ大崎市での開催とあって、お米の持ち込みも目立ちました。市内で農業を営む60歳の男性は「(令和)5年度産の玄米でもいいと書いてあったので持ってきました。ほんとに少しだけどね」とご謙遜。フードドライブについては「よくは分からないけど報道で見ることもあるので、自分にできることをできる範囲でやればいいんじゃないかな」と見解を示します。
県担当者は「今回はお米が多かったですね。今年は米不足の報道もありましたが、フードバンク団体でもお米が足りないと伺っていたので本当にありがたい限り。他にも寄付したことがあるとか、2回目ですという方がいらっしゃいました。普段からそういう意識を持っていただいているんだと感じました」と話していました。
環境省による「都道府県別ごみ処理の現状(令和4年度実績)」によると、1日1人当たりの総排出量で宮城県はワースト10の中に入っています。また、令和4年度に県内の家庭から発生した「家庭系食品ロス」は4.0万トンで、前年度と比較して0.2万トン増加しました。
県担当者は「宮城県の食品ロス量が多いことを知っていただいて、今回のように家庭にある物を寄付してもらうというのが、身近に取り組める第一歩かなと思います。県内各地に常設のフードボックス(食品回収箱)がありますので、缶詰1個からでもお寄せいただければ」と呼びかけます。
今回のような取り組みを通じて、「ごみの減量化」「3Rの推進」「プラスチックごみや食品ロス削減」に対する県民の意識がさらに高まることが期待されます。この日参加してくれた子どもたちをはじめ、未来を担う子どもたちにより良い地球環境を残すため、できることから少しずつ始めていきましょう。
私たちの日常生活からは、売れ残りや食べ残しなど大量の「食品ロス」が発生しており、宮城県でも、その解決が大きな課題の一つとなっています。「もったいない」を合言葉に、身近なことから少しずつ、削減にご協力をお願いします。